表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/116

4話 共に未来へ ②

「逃げ出した者共が、自らここに来るとはな」

 転移した先には魔王ディアボロスがいる。その背後で輝くブリリアントウォールは破壊力に侵食されはじめ、赤くひび割れた箇所が多くなっていた。

 

「ディアボロス、俺達はお前の心に響く創造を届けにきた」

「あたし達の創造、受け取ってもらうからね!」

 絵麻と共に創造を届けることを宣言する。これが俺達にとっての宣戦布告だ。

 

「なにを言い出すかと思えばそのような戯言を。我の願いを邪魔をするというのなら敵として倒すほかあるまいな」

 魔王ディアボロスは、俺の言葉を戯言ときってすてる。いいさ今は解ってもらえずとも、俺達は俺達の想いをを信じて戦うだけだ。

 

「あなたに倒されるつもりはありません」

「マスター達の願い、叶えさせてもらうよ」

 想いを信じているのは、仲間達も同じ。

「変身だ、みんな」

 逢夢とブレイドはクリエイトブックをとりだし、俺達は想いをつなぎ合わせて叫ぶ。

 

「創造の輝きよ、未来を創る力となれ」

「創造の輝きよ、すべてを斬り裂く力となれ」

「「レイター・ブリリアントチェンジ!」」

 創造の輝きをまとう変身をはじめ

「未来へ続く創造の輝き、レイ・クリエイト」

 逢夢は桜色の戦闘コスチュームを身にまとったレイ・クリエイトに、

「すべてを切り裂く創造の輝き、レイ・ブレイド」

 ブレイドは蒼い剣士服を身にまとったレイ・ブレイドへと変身した。

 

「どいつもこいつも戯言をほざく。そんな甘い考えではなにも変えられぬ。まだ解らぬのか!」

 魔王ディアボロスは怒りと破壊の感情を剥き出しにして、俺達を排除しようと動き出す。

 

 先に口火を切ったのはディアボロスからだ。足に闇色の炎をまとませたと思ったら、すでに眼の前から消えている。

「見えてないとでも」

 クリエイトには消え去ってしまったディアボロスの動きが見えており、背後へと振り返り回し蹴りを決めている。

 

「それは我も同じだ」

 ディアボロスはそのクリエイトの回し蹴りを、闇色の炎をまとった右腕でガード。蹴られてた衝撃を吸収。続けざまに右拳でクリエイトの腹をえぐろうとしてきた。

 

「させない」

 ブレイドの蒼輝刀剣が右拳を打ち払い、クリエイトへの攻撃を防いでいた。

 

 破壊力を高めたディアボロスは、これまでの敵と比べものにならないほど強力だ。それでも想いを重ね合わせることができた二人なら対抗できる。

 

 ディアボロスがチョップを繰り出せば、それをクリエイトが止め、ブレイドは背中に向かって斬撃をおこなう。

 ブレイドの斬撃がディアボロスに止められたなら、クリエイトがその間に正面から正拳突きを繰り出した。

 

 一人で戦えば実力は負けているのかもしれない。

(少しずつだけど、押しはじめてるか)

 でも、二人の力を合わせれば強力なディアボロスにだって闘える。少しずつダメージが蓄積され、物語の中で魔王と戦ったキャラクター達のように状況を有利に進めつつあった。

 

「はぁああああ!」

 近距離での闘いでは拉致があかないと思ったのか、ディアボロスは鎧から赤い波動を放ち、クリエイト達を吹き飛ばす。

「オメガフレイム」

 そして巨大な闇の炎の塊を一瞬で掌に出現させ発射、通り過ぎた白い床をえぐり闇色の焦げ跡を残しながら、クリエイトとブレイドを狙って真っ直ぐと進んでいく。

 クリエイトが気を失うくらい創造力を使って防いだ攻撃、避けるのがセオリーだったがあえてここは避けない。クリエイトとのつながりを信じ迎え撃つ。

 

「創造の弾花、クリエイト・ショット」

 クリエイトは手の平に創造球を創り出し撃ちだした。

 消滅させられないだけの創造力をぶつける、ディアボロスの力に向かいあってこその覚悟。破壊の炎と創造の光は互角の力でぶつかりあい、激しい競り合いのすえ大爆発が起きた。

 

「狙わせてもらうよ」

 ディアボロスがクリエイトの攻撃に気をとられていた隙をブレイドはついた。

 蒼輝刀剣に水晶のように美しい蒼い光を灯らせ、

「蒼の風、蒼刃斬」

 蒼い光の刃はかまいたちのように疾走する。

 距離を縮めていたこともあり、瞬く間にディアボロスへと到達した。

 

「効かぬな」

 魔王ディアボロスは不釣り合いなほど大きな巨腕で蒼の刃を受け止めた。早いとは言っても鎧につつまれた巨腕を壊す威力はなく、最後はピンボールのように蒼の刃は弾きとばされる。

 

「貴様達の力で我に届かぬ。これで終わらせてやる、オメガフィスト!」

 ディアボロスは異空間から巨腕を出現させる、前回は防戦一方だった攻撃。

「この技は貴様達に防ぐことはできまい」

「できますよ、わたし達二人ならば」

 クリエイトとブレイドはお互いの死角をおぎあいながら、ディアボロスの攻撃を対処する。

 

 クリエイトの避けられない場所に巨腕が設置されればブレイドがすかさずそれを斬り、ブレイドの避けようのない攻撃に対してはクリエイトが巨腕に創造球をぶつけ消滅させた。

 迷いが消え、連携しあい、つながりあうことで突破口を切り開く。

 

 ディアボロスのオメガ・フィスト使用している間は、異空間の巨腕を出すことに集中している。猛攻を加えることで敵の反撃を許さない。

 しかしその巨腕にさえ上手く対処できれば、魔王もまた無防備。

 

 二人は懐へ飛び込むと

「蒼の一刀、蒼破撃」

 ブレイドは蒼輝刀剣を輝かせた一刀を 

「創造の衝花、クリエイト・インパクト」

 クリエイトは創造力を手に込めた一撃を同時に届けた。

 

 ディアボロスの鎧から出た闇の炎はブレイドの一刀を受け切るも消失、クリエイトの手に集めた創造の輝きが直撃した。むきだしになった鎧に衝撃が伝わり、鎧の一部を破壊し砕くことに成功。

「貴様ら!」

 異空間から巨腕を出現させて二人を同時に攻撃するも、すでに二人の姿はそこにはない。息をあわせたかのようにバク宙をして距離をとっていた。

 

「多少動きに迷いがなくなったということか」

「今の俺達には絶対に揺るがない想いがある。ディアボロス、お前に創造を届けたいという想いがな」

 ディアボロスはまだ余裕を感じる態度ではいるものの、気持ちの面では負けてはいない。絶対に創造を届ける、その気持ちが俺達を強くしてくれる。

 

(鎧は砕けた。後は創造を届けるだけ)

(そのためにも、まずは近づかないとだね)

 絵麻と気持ちを通わせ、次の目的を共有した。

 

 これで一気に攻勢にでれる。そう思った時、

「覚悟を決めたくらいでいいきになるなよ。これでこそ我の本気をみせてやれるというもの」

「まだ本気じゃないとでも」

「そうだ……みるがいい、これが我ら魔王の本当の力だ」

 魔王の鎧が赤く輝き破壊力を増幅させ、鎧が再構成されていく。

 胸の中心部に破壊球が浮き出し、巨腕と足に常時闇の炎が灯る。これほどまでの禍々しい破壊力をやはり隠していたのか。

 

「驚いただろ、貴様が創造した中にはこのような変化はなかったのだからな。そして絶望しろ、己がしてきたことを悔いるがいい」

 破壊力が増幅したディアボロスの闇の炎はさらなる爆発力を獲得、急加速を繰り返しいともたやすくクリエイトの懐へ近づいた。そしてお返しとばかりに破壊力を凝縮した拳でクリエイトを殴り飛ばした。

 そこで攻撃は終わりではない。さらに魔王ディアボロスは吹き飛ばしたクリエイトよりも早く反対方向へと回りこみ、今度は右方向へと蹴り飛ばされた

 。

「くぅうう」

 蹴りは防御しているが、さきほどよりも苛烈な攻撃でクリエイトもダメージを受けてしまっている。

 くそ、攻め勝ってきたと思った所でこれか。どうやって近づいていけばいい。

「好き勝手にはさせないから」

 どう近づこうか考えていると、ブレイドはディアボロスの背後で抜刀した。


「甘いな」

 ブレイドの攻撃にディアボロスは反応し、すでに振り返っていた。

 ディアボロスは背後から抜刀しようとしていたブレイドの足をつかんで、地面に一回、二回と叩きつけてから投げ飛ばす。豪腕がうなるその攻撃は地面に穴が空くほどの威力だった。

 

「まだこれくらいじゃ倒されてあげないよ」

 即座に立ち上がっているものの、ブレイドがはじめてダメージらしいダメージを受けていた。

「これが本気の我らの力、貴様らでは到底及ばぬわ」

 ディアボロスの攻撃は魔王達の力を借りることで、以前よりも強烈なものになっている。

 今までの攻撃でもだいぶきつかったのに、さらにディアボロスは強くなっていた。

 勝つことができるか解らない絶望的な状況。

 

「それはどうだろうな」

 それにも関わらず、子どもの頃のように魔王と闘えることが楽しくて、笑顔になっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ