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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
八章 キャラバン夜営地の森
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冒険者ランクと称号



 ま、まあいいや。

 プレゼントはもう一個あるしな。

 えーと、妖精のネイル……ネイルか。

 つけ爪ってこと?

 どう考えても僕には装備できない。


 見ためは青いガラスキャップみたいな形のつけ爪で、振ると虹色に光る粉が舞う。妖精の鱗粉りんぷんみたい。


 数値は攻撃力135……ん?

 ひゃ、135?

 ひゃくさんじゅうごですか?

 たしか、あのゲームのⅤでは、モンスター系の装備できる爪、牙の最高数値は120くらいだったような?

 まだ中盤の拠点であるボイクド国の王都シルバースターについてもいないのに、終盤最強装備か、それに近い攻撃力!

 しかもこれ、付与効果がある。人型・ドラゴン系モンスターのダメージ10%増。魅了効果20%。


 あっ、いや、冷静に考えれば、それもそうか。だって貯金が百五十万って、中盤前にたまるはずない金額だもんな。終盤でも、かなりあとにならないと……。


 ん? モンスター系?

 てことは、もしかして?


 僕はすっかり熟睡中のぽよちゃんの手(前足)に妖精のネイルをあててみる。できる。装備できるぞ。


 僕は、ぐうすか寝てるぽよちゃんの口から黒金の牙を外すと、丸まっちい可愛い手に妖精のネイルをつけた。カプ、カプ、カプとキレイにハマって、ぽよちゃんの攻撃力は段ちで急上昇。しかも笑ったとき、黒い牙のぞくのイマイチ可愛くなかったんで。いいねぇ。妖精のネイルは見ため目立たないし。猫用爪キャップみたいなもんだ。


 さてと、じゃあこれで買い物終わりかな?

 所持金も預けて安心したし、残りは寄付だ。冒険者ランクを上げてこよう。

 残額は二十二万か。二十万寄付してもいいな。


 僕はギルドの受付に戻った。

 またまたアクビしてるお姉さんにとびついていく。


「すいません! ギルドに寄付するには、どうしたらいいんですか?」

「えっ? はっ? あ、どうも。見てませんよね?」

「お姉さんがアクビしたとこは見てません! 寄付したいんですけど」

「そ、そう? 見てないんならいいんですよ」


 いや、わざわざアクビに限定して見てないって言ってるってことは見てるんだけど、お姉さん的にはそれでいいんだ。


「ギルドに寄付ですね。わたしが受付ます。おいくらですか?」

「その前にちょっと教えてください。冒険者ランクについてなんですけど。ランクはいくつあって、いくら寄付したら、どこまで上がるんですか?」


 お姉さんは親切に教えてくれた。

 このお姉さん、口元につやぼくろがある。色っぽいなぁ。


「では、説明いたしましょう」


 文字数がかさんできたので、次回に続く!



 *



「冒険者ランクはおもにギルドへの貢献度で決まります。ギルド貢献度は救助回数、完了した仕事の回数、戦闘経験、武闘会の成績、買い物ポイント、情報屋への情報提供、称号の数などにより加算されます。ランクはEからトリプルA。その上にSランクがありますが、現在、Sランクの冒険者は存在しません」

「えっ? そうなの? ワレスさんは?」

「トリプルAです。Sランクは彼と一対一で勝負して勝つか、魔王の四天王を倒すなど、特別な貢献をした者にのみ与えられる名誉ランクです」

「なるほど」


 一対一でワレスさんに……ムリだ!

 スネークドラゴンを倒した彼の腕前は人間業と思えなかった。それならまだ四天王のほうが可能性あるかも。なぜなら、束でかかっていくことができる。金の力にものを言わせて……早く傭兵呼び覚えなくちゃ。


「ちなみに称号は一定の条件を満たすと与えられます。称号には戦闘系称号、経済系称号、救助系称号などがあります。戦闘系称号は自己申告になります。データ画面の戦闘履歴から倒したモンスターの数、種類などを申請いただくと称号を獲得できます。かーくんさんには、すでにプチ富豪、富豪、貯金王の称号がありますね。百五十万円以上の貯金を持つ冒険者に与えられます」


 あはは……ズルしてる気分。


「なので、現在のかーくんさんの冒険者ランクはEです」

「Eか。最下層だね。戦闘用称号は今、申請できますか?」

「できますよ。戦歴を見せてください。ああ、ミノタウルス、アナコンダ、フェニックスを倒していますね。かーくんさんとパーティーの皆さんに、それぞれ、牛殺し、蛇殺し、不死鳥殺しの称号が授与されます」


 あんまりカッコイイ称号じゃないなぁ。とくに牛殺し。それって、ほぼ屠殺とさつ業者なんじゃ? 精肉店の人みたい。


「戦闘回数も250回を超えていますね。かけだし冒険者、ぼちぼち冒険者、百匹ハンター、モンスターハンターの称号が与えられます」


 モンスターハンター!

 それは、なんかいい響き。

 牛殺しよりはいいよ……。


「よって、かーくんさんは合計十の称号を得られました。ランクDに昇級です」

「ふうん」

「アンドーさんは貯金系の称号はありませんが、さらにドラゴン、スキュラ、クラーケンを倒していますね。アンドーさんもランクDです」


 そっか。称号十個でランクDなのか。

 ふふふ。じゃあ、本題だ。


「ギルドに二十万を寄付したら、称号とランクはどうなりますか?」

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