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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
第三部 サンディアナの攻防 七章 怪しいキャラバン

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酒場のウワサ



「いらっしゃ〜い。あら、初めて見る顔ね。旅人さん?」


 ば、バカな! バニーガールだ!

 マジでこんなカッコしてる人が世の中にはいるのか。

 あ……編みタイツー!

 ああ、もう街ってサイコーだね。


「あ、はい。冒険者です。ビールください」

「わもビール」

「はい。こちらのお席どうぞ。生二つ〜」


 ジャズピアノの響く店内。

 丸テーブルの一つに案内され、バニーちゃんが生ビールを持ってきてくれた。うちのバニーちゃんは、すっかり寝てしまった。いいんだ。いいんだよ。人型のバニーちゃんが話し相手してくれるから。


「あ、あの、にぎやかな街ですね。おススメのスポットってありますか?」


 とりあえず無難なとこから攻めていく。いきなり、「怪しいキャラバン見ませんでしたか?」なんて言ったら変に思われる。酒場にやつらの仲間がまぎれてるかもしれないし。


「そうね。あなたたち冒険者なんでしょ? 冒険者ギルドには行ってみた? あそこなら二十四時間営業してるし、冒険者に必要なものがなんでもそろってるのよ」

「へえ。冒険者ギルド。そんなものがあるんですか」


 ゲームではよく出てくるギルド。でも、それは、このゲームによく似た世界にはなかったはずのものだ。そう。ドラゴンをクエストする、あのゲームには。


「王都の騎士長のワレス様が、もともと傭兵だったんです。ご存じですか?」

「はい! 知ってます。彼のことならなんでも知ってます!」


 ハッ! しまった。バニーちゃんにクスクス笑われてしまった。


「お客さんもワレス様のファンなんですね?」

「あ、うん。まあ」


 いや、生みの親だけどと言ったところで、誰も信じてはくれまい。


「だから、傭兵や冒険者がお仕事しやすいように、全国にギルドを作ったんですよ。まだ他国にはないんですってね。冒険者ギルド」


 なるほど。ワレスさんの発案か。

 さすが、目のつけどころが違うなぁ。

 僕の英雄。


「そっかぁ。アンドーくん。あとで冒険者ギルド行ってみようよ」

「そげだねー」


 夜はふけていく。



 *



 酒場ってのは、いろいろとウワサが集まってくるものだ。

 こういうゲーム世界では、なぜかみんな、見ず知らずの旅人が自分たちのテーブルにやってきて、「ちょっと話、聞かせてください」って言っても許してくれる。

 現実世界でこんなことしたら、そうとう変人だと思われるよね。へたすると不審者。でも、ここでは変人上等なんで、積極的に話を聞き集める。


「知ってるか?」


 また“知ってるか”だ。

 きっと、みんな自分の情報を自慢したいんだろうな。


「わが国の東の端にはエレキテルの街っていうところがあってな。魔法のように不思議なものがたくさんあるんだそうだ」


 へえ。エレキテル……電気がかよってるのか? スマホの充電したいなぁ。なぜか、現実の世界より充電の持ちがいいんだけど、それでも、じょじょに減ってきてはいる。いつか、小説が書けなくなると困るぞ。

 これはいい情報だった。

 キャラバンには関係ないけど。


「シルキー城が襲われたらしいね。おれの知りあいの息子がシルキー城の兵士で、命からがら逃げてきたんだけど、まだケガしてるんだって」

「えっ? シルキー城の兵士? 名前はなんていうんですか?」

「たしか、トーマス……だったかな?」


 兵士訓練所にいた鬼教官トーマスだ。僕に呪文の唱えかたを教えてくれた。


「その人、今、どこにいるんですか?」

「実家で寝たきりらしいよ」

「その家、どう行ったらいいんですか?」

「うん。ギルドの裏通りとまじわる三本めのかどっこだ」

「ありがとうございます!」


 トーマスにはお世話になったし、シルキー城のようすも聞きたい。

 シルキー城はどうなったんだろうか? 蘭さんのお父さん、お母さんは無事なんだろうか?


「このごろ、北のウールリカから羊毛がちっとも入ってこないんだ。何かあったんじゃないかなぁ?」


「王都のシルバースターには、不思議な扉があるんだってな。その奥へ行けるのは、時間を越えられる人だけらしいよ。どうやって時間なんて越えるんだろうな?」


「ミルキー城のらんらん姫が行方不明らしいんだ。ブラン王が見つけた人には十万円の報奨金を払うって話だぜ」


 ここでも、いろんな情報が得られた。

 いい情報、悪い情報あるなぁ。

 どうもブラン王は蘭さんを賞金首にしてしまったらしい。

 困ったもんだ。

 やっぱり、ヤドリギにあやつられてるのか……。

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