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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
第三部 サンディアナの攻防 七章 怪しいキャラバン
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シャケ商店ふたたび



 そろそろ出発なんだけど、教会に来ると、急に三村くんが、サササっと走って壁ぎわに立った。

 ん? この挙動は見覚えがある。

 もしかして。


「ええもん置いたるで。見てかんか?」


 やっぱり!


「……何があるの?」

「モンスター用防具や。とくに、子グマちゃんやな」

「ふうん。見せて」


 またまたお品書き。

 クマのヨダレかけ。

 クマのセーターと半ズボン。

 クマのワンピース。

 赤いリボン。

 赤いくつ。

 クマのぬいぐるみ。


 な、なんだこりゃ?

 どう見ても人形用の着せかえセットなんですけど。


 しかし、三村くんのわきに立つクマりんのステータスを見ると、な、なぜに? 防御力が上がる!

 どう見ても青銅のよろいのほうが強そうなのに、クマのヨダレかけのほうが、ハッキリと数値が上がる。


「おススメはクマのワンピースと赤いリボン、赤いくつ、クマのぬいぐるみやな。よろい、装飾品、くつ、盾や。クマりんはもうかぶとは王冠かぶっとるしな」


 そう。装備品はそれぞれ、かぶと、よろい、くつ、盾をまとうことができ、さらに装飾品が二つずつつけられる。

 ぽよちゃんみたいな特殊な体形の子は身につけられるものに限りがある。

 クマりんは人間に近い体形の二足歩行なので、人間と同じものを同じだけ着ることができるようだ。


「これ、どうしたの?」

「クマりんに着せたろ思うて、夜なべしたんや」


 自作の服を仲間に売りつけるんだ!


「むむむ。でも、すぐれものだな。防御力が55もある。銀の胸あてより強いってどうよ? しかもこれ、付与効果があるよ。幸運プラス30って」

「愛情こもっとるさかいなぁ」


 じゃあ、売らずに自分でプレゼントしてあげたらいいのに……。

 まあいい。三村くんちはこの世界じゃ大家族貧乏設定だった。家族を養わないといけないんだよね。


「いくら?」

「ワンピースが六千円。赤いリボンが五百円。赤いくつ千円。クマのぬいぐるみが三千円。合計一万とんで五百円やけど、かーくんやしオマケしたるわ。一万でどや?」


 オマケって……僕に売りつけるために作ったんだよね?

 しかし、たしかにどれも数値がいい優秀な防具だ。


 赤いリボンなんか、たった五百円なのに防御力10で、その上、毒無効効果がある。

 赤いくつは防御力15で、素早さプラス10。

 クマのぬいぐるみなんて、これのどこが盾なんだって思うのに、防御力20で、さらには火、氷属性ダメージ吸収20%! 優秀すぎる。


「じゃあ、そのセットちょうだい」

「まいどあり〜」


 うーん。仲間にお金をしぼりとられてる。

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