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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
六章 就活って難しい
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フェニックス戦! 3



 フェニックスの攻撃!

 思ったとおりだ。

 翼をひろげて、打ちおろそうとしている。


 ま、マズイぞ。

 主戦力のクマりんと、ぽよちゃんはHPが低いんだ!


 そのとき、蘭さんが走った!

 翼をふりあげるフェニックスの真正面に立つ。


「ロラン!」

「僕なら大丈夫」


 フェニックスの巨体だ。

 翼をひろげれば十数メートルもある。

 風切り羽だけで、ゆうに蘭さんの身長くらいあった。

 その翼が、またもや蘭さんを叩く。


「ほらね。大丈夫だ」


 ニッコリ笑うけど、HPが70も減るんだよ? 痛くないはずがない。

 蘭さんはアレだよね。

 外見は絶世の美女だけど、意外と性格は男前だ。本来は素早さ数値が高いから、回避率も高いはずなのに。仲間のために、わざと犠牲になるなんて。


 そして蘭さんの「みんな、がんばろ〜」連呼!

 ち、力が、ありあまる!


 蘭さんの熱い思いが伝わったのだろうか。

 いつものように“ためた”ぽよちゃんが、ギュっと閉じたまぶたをあけると、オーラだ! 真っ赤に焼ける鉄のようなオーラがついた。


 アルテマハイテンションだー!

 アルテマハイテンションに入ったターンは、二回行動ができるらしい。

 ぽよちゃんは僕が言ったとおり、馬車にかけこんだ。

 馬車の外は三人になった。


 クマリンが仲間を呼ぶ。

 クマリンの呼んだ友達も仲間を呼んだ。

 あっ! 子グマちゃんが四体になった!

 王冠かぶってるから、クマリンだけは見わけがつくけど、そうじゃなかったら、どの子がクマリンかわからない。

 そうか。クマリンの仲間呼びは倍々で増えてくのか。

 つまり、次のターンで八匹そろうぞ!

 合体したターンは攻撃できないけど、むしろ、ちょうどいい。

 そしたら、フェニックスが回復した直後から、いっせい攻撃に移れる。


 やれる!

 僕ら、やれるぞ!


 僕は確信した。

 とりあえず自分に回復魔法をかけて、全員の体力を戻しておく。


 次はフェニックスの攻撃だ。

 ドシンと足をふみならす。

 たいしたダメージじゃない。


 またもや、蘭さんの「みんな、がんばろ〜」四連続。

 蘭さん、MPはどうなってるんだ?

 そんなに魔法ばっかりかけて大丈夫なのか?

 あっ、大丈夫じゃないぞ。

 最初に二回、その次にも二回、さらにそのあと四回、四回、魔法を使ってる。合計十二回だ。

 みんな、がんばろ〜の消費MPは一回につき6だ。パーティー全員にかかる魔法にしてはローコストで、いい呪文だと思う。それでも十二回ってことは、72もMP使用してるわけで……つまり、蘭さんはMP3しか残ってない。

 さっきのが最後の「みんな、がんばろ〜」だ。


 ゴクリ……。

 これでキメなきゃ、僕らに勝機はないってことか。

 絶対、しとめないと。

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