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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
六章 就活って難しい
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僕は天職を見つけた!



 神殿のなかでひと休みしているとき、時間つぶしに僕らはステータスを見なおしていた。


 さっきの道中でレベルアップしたとき、僕は新しい魔法を覚えていた。やっと『毒よ消えろ〜(^ー^)ノ☆︎*.。』だ。

 ちょっと待て。この顔文字、じっさいに再現するにはどう表現したらいいんだ?

 星をなげるつもりで笑えばいいのか?

 わかんないなぁ。

 不安になってくる。


 あとは転職リストというのを見せてもらった。今のところ、基本の下級職しかない。下級職について修行を重ねていくと、上級職にもつけるようになる。

 リストには、これだけの職が載っていた。


 戦士——攻撃力に優れたアタッカー。HPや力は伸びるが、魔法に弱くMPや知力が伸びにくい。


 武闘家——戦士より素早さ身軽さを重視した軽装備のアタッカー。


 魔法使い——さまざまな攻撃魔法を覚える魔法の専門家。MPや知力が伸びるがHPと力は伸びにくい。


 僧侶——おもに回復魔法を覚える。魔法使いにくらべればHPや力もやや高い。


 商人——そこそこ力持ちであるていどの重装備もできる。商売にまつわるスキルを覚える。


 遊び人——数値の伸びが全体に悪い。遊び心を重視したスキルを覚える。


 詩人——歌や踊りでパーティーを盛りあげる。補助系スキルを多く覚える。


 盗賊——素早さと器用さを兼ねそなえた特殊技能職。モンスターからアイテムを盗むことがある。


 うん。よくある感じだ。

 いろんなゲームで見なれた職業。


「シャケは商人なんだよね?」

「うん」

「数値的に戦士のほうがむいてない?」

「せやけど、家族養わなあかんやろ? 最初は商人がええかなと思うたんや」

「ふうん。転職したほうがよくない?」

「でも、もうちょいでマスターするんや。そしたら『傭兵呼び』ができるさかいなぁ」

「何、それ?」

「戦闘のとき、所持金の百分の一を支払って傭兵を呼ぶんや。もちろん、支払う額が多いほど威力が大きいんやで。払った金額がそのまま敵に与える平均ダメージになる。全体攻撃やしな」

「えッ?」


 ちょっと待ってよ。

 それって、つまり、お金をたくさん持ってれば持ってるほど強い攻撃ができるってこと?

 百万持ってれば敵全体に一万ダメージを与えられる。

 しかも援軍が戦ってくれるってことは、僕自身は戦わなくてもいい。


 それに……それにだよ?

 僕の“小銭拾い”はモンスターのエンカウント率とほぼ同じだ。お金を払って援軍を呼んでも、次の戦闘までには同額を拾ってるってことだ。


 要するに、僕は永遠に所持金を減らすことなく、モンスターに大ダメージを与え続けることができる。


 これが天職と言わずして、なんであろうか?


 商人だ。商人になろう!

 また無双の種を見つけてしまった。

 ふへへ。ひひひ……。

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