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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
五章 (麗しの)巫女姫を救え!
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僕の小銭無双!



 神殿に集まった人たちの話は、だいたい聞いた。

 光るツボやタルも割りつくした。

 ちなみに百三十円とHPの種が出てきた。ラッキー。


 よし。次は武器屋と防具屋だ。

 ここって、たぶん、将来的に転移魔法の拠点タウンの一つなんじゃないかな?

 設備がすごい整ってる。

 神殿なのに、バーまであるんだ。

 これは、アレだなぁ。

 仲間の人数が増えすぎたとき、待っててもらう待機所。


 おっと、武器屋と防具屋だ。

 まずは武器屋から。

 黒金の槍、黒金の剣、黒金のブーメランがある。ちょっと変わったところで、メイス。黒金の牙。


「牙か。ぽよちゃん。ちょっと来て」

「キュイ?」

「あっ、やっぱり装備できる。攻撃力が30も上がるのかぁ。ここは買っとかないとね」

「キュイ!」


 千二百円か。

 一回の小銭拾いより安い。

 もちろん、即買いだ。


「すいませ〜ん。黒金の牙ください」

「はいよ。毎度あり」

「ほ〜ら。ぽよちゃん。新しい牙だよぉ」

「ピュイ、ピュイ!」


 僕は破魔の剣のほうが、まだまだ強いので、そのままだ。蘭さんも買える鞭のなかでは最強の装備だから、武器屋に用はない。


「じゃっ」と言って、僕が武器屋を出ようとすると、三村くんが悲しげな瞳で僕を見た。


「ど、どうしたの? シャケ」

「黒金のブーメラン……千八百円」

「うん。そうだね」

「百円、足りひん」

「えっ? なんで? 僕が破魔の剣買った代金持ってるんじゃないの?」

「さっき銀行に預けた」

「なんで?」

「弟妹が多いんや。家族を養わんと」

「うッ……」


 そう言えば、三村くんって現実でも、お姉さん二人と妹一人だったかな? 姉妹がいっぱいいたっけ。姉一人と妹二人だったかな?

 まさか、大家族設定で来るとは。

 しかも弟妹ってことは、弟が増えてる!

 ズルイぞ……。


「……わかったよ。僕が買うよ。パーティーの攻撃力が上がったほうが、僕も助かるし」

「おおきに! ありがとさん!」


 うーん。商人にしてやられた気がしなくもないけど、まあいいや。

 千八百円くらい、安いもんだもんねぇ。

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