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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
第二部 物語は動きだした 四章 再会の兄弟
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アナコンダ戦!3



 しかし、そのときだ。


 ぽよちゃんのようすがおかしいぞ。

 かたっぽの目をキッとつりあげて、ニヤリと笑ったような三口。

 そして、全身が炎のようなオーラに包まれている。


 これまで、あの謎の行動しかしなかったぽよちゃんが、走ったー!

 は、速い。

 そうだよね。ウサギだもんね。素早いに決まってる。


 ぽよちゃんはウサギの跳躍力で空中にとびあがると、アナコンダの喉元に頭突きをかました!

 ドーン!——と、ものすごい音がした。ぽよちゃんの小さな体から放たれたタックルが源とは思えないような衝撃音だ。

 木の帽子のさきっちょが、いいぐあいにアナコンダの喉にくいこむ。


 アナコンダはつかのま、グラグラと上体をゆらしていた。が、耐えかねたように、そのままドッと地に伏した。失神している。


「か……勝った!」

「やったでェー! やるやんか。ウサ公」


 何が起こったのか、まだわからないでいる僕に、猛が説明した。


「アルテマハイテンションだな。ぽよぽよは“ためる”が得意技なんだ。行動を一回パスして力をためることで、ちょっとずつテンションが上がっていく。四回、重ねがけすると、まれに力が二百倍になるアルテマハイテンション状態に突入することがある。しかも、こいつはさっき、蘭の魔法で攻撃力が二段階あがっていた。その二百倍だから……わかるだろ? アナコンダもイチコロだよ」


 な、なんとォー!

 そのシステムは、ヤ〇ガスの冒険じゃないか!

 この世界によく似たゲームの外伝的なやつで、あれもハマったなぁ。


「そ、そうだったのか。だから、いつも、ぽよちゃん、なんにもしなかったんだ。そう言えば、僕らの戦闘、二ターン以上続くこと、ほとんどなかったもんね。じつは、ひそかに、ためてたんだ」


 あの目をとじてギュッとする謎の行動は、力をためる仕草だったのか。


「あっ、かーくん。蛇の牙、ドロップですよ。お守りにしたら、毒攻撃が無効になるんです」

「えっ? そうなの? 誰が持っとく?」

「回復役か、アタッカーですね」


 僕は考えた。

 ここはやっぱり、蘭さんかな。

 勇者だし、それにアタッカーだ。いざというときは回復魔法も使える。


「じゃあ、ロランが持っててよ」

「ありがとう」


 そのあと、僕らが急いで毒消し草を飲んだことは、言うまでもない。

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