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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
三章 勇者ご一行の旅
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ミノタウルス戦!2



 ミノタウルスはまだ動かない。ターン制もあるけど、こいつ、もしかしたら、かなり素早さの数値が低い。


 僕はちょっと腕ならしで、破魔の剣をふりかざしてみた。なんにも起こらない。


 三村くんが言った。

「あっ、あかん。あかん。装備品の魔法使うときは、その装備品の正式名称を言わな」

「えっ? そうなの?」

「破魔の剣〜って言うんや」

「わかった」


 あらためて。


「破魔の剣〜」


 あっ、出た。出た。

 小さな炎がミノタウルスの頭上に降った。

 大きさからいうと、火属性の一番低位の魔法って感じだな。

 たぶん、蘭さんの『燃えろ〜(^_^*)』と同じくらいの威力。

 ダメージは少なそうだ。遠距離から攻撃できるのは利点だけど。


「かーくん。ミノタウルスはHPが少なくなるほど、クリティカル率が上がるんです。だから、最初のうちは近距離攻撃して、ダメージが見えてきたら遠ざかって遠距離攻撃に切りかえましょう」


 さすが、勇者。リーダー。

 僕は蘭さんの命令に従うことにした。

 あっ、これって、あのゲームの“作戦変更”だ。“命令する”ってやつだな。


 そう言ってるうちにも、ミノタウルスのターンだ。ミノタウルスは大きな斧をふりかざして、ダダーッとつっこんでくる。


「わあッ!」


 僕はあわてて皮の盾を前につきだす。皮の盾がザックリ割れてしまった。

 えっ? この世界って武器の耐久性が設定されてるのか?


「かーくん。危ない!」


 蘭さんが手をひっぱってくれたので、ミノタウルスの斧は盾の表面をすべり、なんとかよけることができた。ミノタウルスの斧はそのまま地面につき刺さる。


 三村くんが叫んだ。

「おまえら、どいとれや。攻撃はおれが受けるさかい、HP減ったら治してくれ。ええな?」


 見れば、三村くんは鉄の盾を持っている。あれなら、なんとか斧をちょくせつ体で受けることはないだろう。


 そうか。僕はプリーストだもんな。

 みんなが死なないようにサポートするのが役目なんだ。


 冷や汗がよろいの下を流れおちていく。

 やっぱり固定のボスは強敵だ。

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