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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
十八章 ほろ布ください
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モリーの装備品



 シルバンにはオリハルコンのよろいを着せ、予備の炎の帽子、炎の手袋、炎のブーツをつけさせた。

 帽子に薔薇のコサージュをつけてあげる。コサージュは、たまりんとケロちゃんにもつけた。


 問題はモリーだ。


「モリーはどうしよう?」

「新しい仲間やな。予定になかったんで、作ってへんで」

「変身するんだよね。だから、変形しても大丈夫な服がいいかな」

「装備品は体にフィットするように伸縮するやろ。変身しても問題ないと思うんやけどな」

「フェニックスみたいにデッカイ鳥になったら、よろいとかは着れなくない?」

「そういうことかいな。変身後、そのモンスターがもともと着れへんタイプの装備品はあかんやろな」

「でしょ?」

「ムズいな。スライムじたいが着れるもん少ないしな。ちょっと考えとくわ。今日んとこは装飾品だけにしといてぇな」

「わかった」


 とは言ったものの、まさかコサージュを体につきさすわけにもいかない。

 ぽよちゃんたちがいらなくなった赤いリボンをつけとこうかな?

 あっ、そうだ。アミュレットは頭にのっけられるよね。頭というか首というか。あとは、ずっと前のたまりんのおさがりのヨダレかけ?


「だ……ダサイ。アミュレットとヨダレかけのとりあわせが致命的にダサイ」


 ダサイのがイヤなのか、プルプルのジャマになるのかわからないけど、モリーは体をふるわせて、ヨダレかけをとりはずした。

 結果的になんとか装備できたのは、精霊のアミュレット。首飾りのように胴体に巻きつける。

 それと炎シリーズの赤い帽子だ。


「うーん。ムズいなぁ。しゃーない。なんとか考えとくわ」

「よろしく」


 三村くんに金もうけを断念させるほどの、モリーの特殊体形。第一ラウンドはモリーの勝利。


「ほなら、新作の発売をお楽しみにやな。定期的にのぞいたって」

「うん。シャケもそろそろ特訓する?」

「おお。するで。店番はマルッカとムルッカに頼むさかいな」


 久々に全員そろった〜

 やっぱ旅は大勢がいいよね。

 明日の昼には馬車も改造できるしねぇ。


 僕らはポルッカさんとお茶を飲んだあと、王都に帰った。

 ギルドによって合成をしてもらう。


「おばあさん」

「誰がおばあさんでございますですか! わたしゃ、大合成——」

「ああ、はいはい。大合成魔女さん。ぽよちゃんにこのアミュレットと、コサージュと風のバンダナをつけさせたいんですけど、どうしたらいいですか? あ、それとアミュレットにバジリスクの涙と、森の樹液もとりつけたいんですよね」

「任せなさいでございますです。装飾品を装備可能な二つまでに、まとめたいわけでございますですな?」

「うん。そう」

「精霊のアミュレットは別名、合成土台素材と言われておりましてな。とにかく、なんでも合成できることが何よりの特質でございますです」

「そうなんだ」

「なので、コサージュとバジリスクの涙と森の樹液をアミュレットにとりつけてしまえば問題ございませんです」

「へえ。お願いします」

「ただし、一個ずつとりつけることになるので、料金は三回ぶんかかりますです」

「…………」


 ぼるね。


「はい。やってください」

「はいはい。できあがりましたでございますよ」


 えっ? もう? 早すぎない?

 ほんとは一回でできたんじゃ……?


「……名前が薔薇のアミュレットになってるね」


 薔薇のコサージュが一センチほどに小さくなって、アミュレットのチャームの一つになってる。透明のクリスタルのバジリスクの涙と、琥珀色の森の樹液といっしょにユラユラして、すごくキレイだ。


「このアミュレットは、あと目くらましと睡眠、マヒ、笑いって状態異常の無効アイテムをつければ完璧だね」

「アミュレットにとりつけられるチャームの数は十二個まででございますですよ」

「えっ? 数が決まってるんだ?」

「もちろんでございます」

「じゃあ、天使の羽飾りが手に入るまで待ったほうがよかったかな」


 ゴンドリヤさんの目が、カアッとひらく。


「よく見てみなされでございますですよーッ! 薔薇のアミュレットは大成功でございます。薔薇の加護がついとるでございましょうがぁー! カアーッ!」

「あっ、ほんとだ」


 薔薇の加護によって、戦闘開始時にミニ薔薇が発動。他者が薔薇を使うときにもミニ薔薇が連動。

 装備者に『がんばろ〜』と全ステータスにプラス10がかかる。まれに敵単体に目くらまし効果。


 あはは。ちっちゃい『薔薇』だ〜

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