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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
十八章 ほろ布ください
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今回もいっぱい、ぼられるよ



 僕らは三村くん開発のよろい下の服を買いこんだ。


 蘭さんはオシャレさんのようで、色違いや丈の長いやつをたくさん欲しがった。もちろん、買ってあげた。


 僕自身もオリハルコンのよろいの下に着るのによさそうなものを選んで、十枚ほど買った。防御力の底上げができるし、MP吸収できるのは嬉しい。

 MP吸収は職業マスターボーナスで習得できるけど、魔法使い、賢者、大賢者などのボーナススキルらしい。僕はまだ覚えてないからね。


「ところで、この店、ギルドに加入してないの? 抽選券は? 割引は?」

「ポルッカさんがオーナーやしな。ギルドにはポルッカさんが加入しとるさかい、おれの店も加入しとることになるな。割引除外品やし割引はでけへんけど、抽選券な。ほれ」


 シルバー会員なんで、抽選券は買い物のたびに必ず貰える。これでまた、だいぶ、たまった。


「スタンプも押してよ? 早くゴールド会員になりたいんだよね」

「ほれ。スタンプ」

「四十万か。だいぶ使ったなぁ。もうすぐスタンプ半分だ」

「ほな、人間用はええか?」

「うん」


 ここまでは前哨戦だ。

 まだモンスターたちが残ってる。


「ぽよちゃんたちの装備を新しくしたいんだけどさ」

「ええで。今あるんは、これくらいやな」

「ぽよちゃんに精霊のアミュレットをつけてあげたいんだよ。今の服だとデザイン的にあわないんだよね。ほら、ぽよちゃんだと手にアミュレットつけられないから、首につけることになるしさ」

「そういうことなら、ええのんがあるで」


 いつもの、お品書き〜

 アラビアンナイトセットA。

 アラビアンナイトセットB。

 薔薇のドレス。

 薔薇のアンブレラ。

 薔薇のくつ。

 薔薇のコサージュ。


「薔薇のドレスは誰用?」

「基本はクマりんやな」


「クマりんには妖精の羽衣でいいかなと思ったんだけど」

「ええっ! せっかく作ったんやで? おれの愛情入りやで? 防御力だけで見たらあかん。バランの薔薇を見てて思いついたんや。これはやな。薔薇の花飾りをつけることによってやな。バランとのシンクロ率を上げることができるんや。つまり、薔薇の効果が二倍になる」


「えっ?」

「毎ターンの『もっと、がんばろ〜』の効果が倍ってことや。しかもやで? 薔薇で上がるバランの全ステータス100プラスの影響がちょっとだけ、おこぼれで貰えてやな。薔薇が発動するたびに、全ステータスが10ずつ上がるんや」

「なっ、何それ? めっちゃいいじゃん!」

「せやろ〜」


 ああ、また三村くんに乗せられてる。

 でも、たしかに、それはベリーグッドな効果だ。バランと同じパーティーにしとかないと意味がないってことがネックではあるけど、バランはすでに主戦力だ。パーティーから外すことは、まずない。


「防御力75か。今のワンピースより20も上がるのか」


 薔薇のアンブレラは盾のようだ。

 防御力35。ブレス攻撃全般、魔法ダメージを30%カット。

 そして、盾なのに、なぜか30%の確率で敵モンスターを目くらましにかけることがある。


 薔薇のくつは、とくに付与効果はないものの防御力25。


 薔薇のコサージュは白い薔薇の造花に赤いリボンがついてて、防御力25。毒と魅了を無効化してくれる。さらには炎攻撃を10%軽減。


 見事だ。今回も見事な出来栄えだった。

 防御力がトータルで70も上がる。何よりも薔薇の効果を利用するというアイデアが秀逸だ。


 見ためも濃いめのピンクをベースに白い薔薇や黒いレース飾り、赤いリボンをあしらって、小さい女の子ならキャーキャー言って喜びそうな可愛いデザイン。


「で、いくらなの?」

「ドレスが一万二千円。アンブレラが八千円。くつが三千円。コサージュが四千円で、二万七千円やな」

「はいはい。買うよ。買いますよぉ」

「毎度〜」


 やっぱり、ぼられてるなぁ、僕。

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