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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
十八章 ほろ布ください
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名人を求めて



 オリヤ村のなかを見物するまもなく、僕らは北をめざした。お昼ご飯のために、パンとチーズと汁気の少ない野菜スープは買ってきたけどね。スープはナベごとだ。


「あっ、名人がどんな人か聞いとけばよかった。男か女かもわからない」

「はたおりって、たいていは女の人がしてませんか?」

「そげだねぇ」


 森がだんだん深くなる。

 街道が続いてるからいいけど、そうでなきゃ迷ってるとこだ。

 樹木のあいだをついてくる人がいるような……。


「なんかいるよね? あそこ」

「えっ? どこですか?」

「ほら、あの木のかげ」

「あッ」と言って、蘭さんは人影っぽいものから顔をそらした。


「どうしたの?」

「見ちゃいけません。あれは森の人です」


 森の人……オランウータンかな?


「オランウー——」

「タン、じゃありません。知らないんですか? 世界の各地には、森のなかで原始的な暮らしを続けてる人たちがいるんです。見ためは僕らとそんなに違わないんだけど。彼らはこっちが手出ししなければ襲ってはきませんから」

「そうなんだ」


 アボリジニとかホピとか、そういう部族なのかな?

 それとも、イエティとか原人とかヒバゴンとかか?


「でも、変だな。森の人の多くはウールリカにいるはずなんだけど。こんなところで見かけるなんて」

「ウールリカが魔物に襲われたせいかな?」

「そうかもしれないですね」


 神秘の森の人。

 遠かったから、どんな種族なのか見ることはできなかった。

 ちょっと興味ひかれたんだけどな。


 森のなかには《《森の人》》以外にも森の人がいた。今度こそ、オランウータンだ!



 野生のオラタンが現れた!

 野生の火のグリーンが現れた!

 野生の森スライムが現れた!



 ああ、やっぱり、オランウータンもいるよねぇ〜


 オラタンは身長二メートルくらいの腕の長いおサルのモンスター。

 火の玉グリーンは、たまりんの色違いだ。キレイなエメラルドグリーンをしてる。

 同じく、エメラルドグリーンのスライム。プルプルゆれる森スライムは、マスカット味のゼリーのよう。


「あっ、美味そう! 僕のゼリーちゃん」

「かーくん。だんだん、ゲテモノ食いになってきてますよ?」

「えっ? そうかな? 昼飯はあとで食べるよ」

「とりあえず戦いましょうか」


 外のメンバーは僕、蘭さん、アンドーくん、ぽよちゃんだ。


「ザコだし、余裕ありそうだよね? たまには違うメンバーで戦ってみる? いろんなパターンの戦法を熟知してるほうが実戦でプラスになると思うんだ」

「そうですね。じゃあ、アンドーにさがってもらって、ケロちゃんに出てきてもらいましょうか?」

「そうだね。じゃあ、ぽよちゃん。聞き耳、お願いするよ〜」

「キュイ〜」


 聞き耳が後衛からできるようになれば、もっといろんなバリエーションで戦えるなぁ。


 ぽよちゃんの聞き耳によると、オラタンはHPと力高めの戦士型。行動パターンは威嚇いかくと、胸を叩くと、通常攻撃。

 火の玉グリーンは、たまりんと基本行動パターンは同じだ。ただし属性が風属性になってる。サンダー系の魔法を使うのかな?

 森スライムは、プルプルと……ん? 変身だ。どっかで聞いた技だな。


 まあいいや。

 戦闘開始!

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