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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
十七章 まだまだ鍛えよう
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特訓二日め



 朝が来た。今日も特訓だぁー!

 サンディアナ付近で職業ランクを上げつつ、ほろ布を手に入れ、なおかつ、ぽよぽよ草を見つける。

 それが今日の目標。


 まず、合成屋。

 カアカア言うおばあちゃんに、昨日、抽選で手に入れた天使の羽飾りを精霊のアミュレットに合成してもらった。これはケロちゃん用だ。いつも状態異常になるたびに、あの騒ぎじゃ、やってられないからね。


 じつはもう一個天使のアミュレットはとってあるんだけど、これは三村くんにつけてもらおうと思ってる。いちおう人間だし(名前はシャケだけど)、三村くんは戦士系をきわめて、これからさき、ずっとパーティーの前衛に立つことになるからだ。


 ほかにも何個か合成してもらった。おばあちゃんセレクトで、てきとうに素材を選んでもらう。特訓から帰ってきてから、じっくり性能を確認することにしよう。


 それにしても、たいしてお金が減らない。十点くらい合成してもらったけど、五十万にも満たないね。

 今日でやっと、シルバー会員になってから合計百二十万円使った。あと三百八十万円使えば、夢のゴールド会員に……。


「あっ、そうだ! ちょっと魔法屋によってもいい?」


 出発前なんで、お出かけ予定のメンバーは全員そろっていた。

 僕、蘭さん、アンドーくん、ぽよちゃん、クマりん、バラン、たまりん、ケロちゃんだ。スズランもいるけど、NPCなので数に入れてない。

 シルバンとスライムのスラちゃんは馬車に入らないんで、さきにモンスターおじいに預けてきた。馬車が大きくなったら、すぐにも迎えに行かないと。


「いいですけど? 買い物ですか?」とたずねてくる蘭さん。

 なんとなく、ムリに元気を装ってるふうに見える。


「そうじゃないんだよ。あっ、もちろん、いい秘伝書が置いてあれば買うんだけどさ。昨日、抽選やカジノで秘伝書を手に入れたんだ。だから、それをみんなに覚えてもらおうと思って」

「秘伝書? どんな呪文?」

「死なないでェーが五個。みんな、元気になれ〜が一個。それと、おとついに買った秘伝書が何個かあるんだけど。そのなかに、弱くなれ〜ってのがあるんだ。これって、敵の攻撃力を低下させる魔法じゃないかなと。後衛スキルで便利だよね?」

「そんなにたくさん……」

「死なないでェーはメンバー全員が覚えてもいいよね。とくに後衛は」

「う……うん……」


 あれ? 蘭さんの顔がくもった。

 なんだろなぁ?

 昨日から、なんかようすがおかしいんだよなぁ。いつもと違う。


「とにかくさ。秘伝書の使いかたを魔法屋さんに教えてもらおうと思って」


 蘭さんはもう答えない。

 どうしよう。

 なんか怒らせたんだろうか?

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