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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
十七章 まだまだ鍛えよう
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最後の銀行プレゼント



 デギルさんと飲みだすと長くなりそうだったので、僕はさっさとギルドのほかの用事をすませることにした。


 まずは銀行に行く。

 二億円も持って歩きまわるのは心臓に悪すぎる。


「かーくんさんの貯金が五千万円に達しました。風神のブーツをさしあげます」

「はい。ありがとう」

「かーくんさんの貯金が一億円に達しました。詩神のハープをさしあげます」

「はい。ありがとう」


 あれ? そういえば、銀晶石の巨兵戦で宝箱から得たはずの銀晶石のハープ、けっきょく貰ってないような?


 ゆら〜りと、たまりんがゆれる。

 な、なんと! 銀色のハープを持ってる。いつのまにっ?


 そうか。あの美少女の石像と合体したときか。そういえば、像がハープっぽいものを持ってたような気がする。


 風神のブーツは防御力が30。盾なみの防御力だ。

 しかも、なんか変な付加効果がある。スピードファイターって効果だ。

 なになに?

 戦闘中、歩くたびに『巻きで行こう〜』がかかる。重ねがけ可能。上限1000%まで。


「ええーッ! 歩くたびに? 歩くたびに『巻きで行こう』? いいの? そんなの待機中に足ぶみしてるだけで、どんどん速くなれるってこと?」


 ターン制を無視しためちゃくちゃな効果だ。ゲームバランス、本気で壊す気か?

 最後の理性で書きたされたかのような、重ねがけ上限も1000%って。それ、本来の素早さの十倍まではオッケーってことだよね?

 たとえば僕のスライムチューチューした素早さ数値が98。これの十倍だから、戦闘中マックスで980までは速くなれるってことだ。1ターンで十回くらい行動できるって意味なんだけど?

 こ、これは、さすがに僕が自分ではこう。


「えーと、もう一個は詩神のハープか。あっ、これは装備できるのが、詩神って職業か、それをマスターした人だけだね。じゃあ、今のところ誰も装備できないね。ミャーコのなかに入れとこ」


 たまりんがユラユラしてるけど、装備できないんだから、しかたない。

 たぶん、ハープのなかでは最強なんだと思う。詩神のバラードっていう装備品魔法がついてる。


「かーくんさんの貯金総額が二億六千万円になりました。たくさんの貯金をしていただき、まことにありがとうございます。プレゼントはこれで最後ですが、これからも銀行をよろしくお願いいたします」


 銀行のおじさんが頭をさげる。


 ああ、ついに銀行のプレゼント、カンストかぁ。名残惜しいような、やりとげた感のような。感無量。

 まだまだ貯金はするけどね。

 だって、拾うし。

 ちょっとスライムの森歩いただけで二億円だよ?


 風神のブーツは軽いし、はき心地が抜群にいい。足に負担がかからない。それに見ためも、ふつうにイケてる。

 これでブーツは買う必要なくなったなぁ。これ以上のブーツはないんじゃないかな?


「じゃあ、また来ます」

「はい。お待ちしております」


 胸いっぱいの気持ちで、僕は銀行をあとにした。

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