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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
三章 勇者ご一行の旅
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またまた地下、ぬけ道



 ああ、暗い。

 また地下道かぁ。

 いやんなっちゃうなぁ。


 でも、ある意味、安心なのは拾える小銭の額だ。扉のなかへ入ってから、一度に拾える額がいっきに下がった。さっきまで四万、五万もザラだったのに、急に千円に逆戻りなんだもんな。まあ、千円だってスゴイんだけどね。


「わあっ、もう五十万たまってるぅ。僕の月給より多いよ。毎日八時間フルタイムで働いた月給より数倍多いよ? 天国だ。ここは天国だぁ」

「かーくんさん。そんなにお金に困ってるんですね……」

「困ってはないけど、お金は好き。貯金が趣味なんだ」

「かーくん。商売人にむいとるんやないか?」

「かもねぇ。へへへ。たまる。たまる」


 とか夢中になってたら、モンスターが現れた。ぽよぽよとスライムとメラりんだ。メラりんは初めてのご対面。炎の形のエレメンタル系モンスター。


 チャチャチャン、チャチャチャン、チャン!

 あっ、戦闘開始だ。


 一番素早いのは、やっぱり僕らのなかでレベル高い蘭さんね。


 ちなみに、今までは蘭さんのパラメータ見れなかったんだけど、今は見れた。HP132、MP55、力40、体力25、知力55、素早さ92、器用さ66、幸運72。

 なんだこりゃ? えらく後半にかたよった、この数値。素早さと器用さと幸運が高い。これって盗賊むきなんじゃ? 盗賊むきの勇者……。


 マジックは——

 元気になれヽ(*´∀`)

 燃えろ〜(^_^*)

 みんな、がんばろ〜o(^o^)o


 得意技は、危険察知と冷たい視線、魅了(100%)と甘える、か。勇者とは思えないなぁ。これも現実の得意技そのものの気がする。

 てか、魅了(100%)?

 100%ですか?

 それって必ず成功するって意味じゃない?


 あっ、とりあえず戦わなくちゃ。



 *


 あらためて戦闘開始!

 こっちが先制なんで、ちゃんと待っててくれるモンスターたち。賢いぞ。


 まずは素早さナンバーワンの蘭さんの攻撃。

 ん? 蘭さんの持ってるの……むちじゃないですか? うん。何度、見直しても、やっぱりムチ。

 なんで? クローゼットに剣、隠してたじゃん。勇者でしょ? なんで鞭? ふつう剣でしょ?


 蘭さんの攻撃!

 ぽよぽよに80のダメージをあたえた。

 ぽよぽよが倒れた。


「蘭さん、強い」

「この抜け道は何度も一人で冒険しましたから」

「ああ」

「それに、武器がかなりいいんですよ。ドラゴンテイルですから。お金で買えるムチとしては最高級です。父上に甘えて買ってもらいました」


 ん。得意技の“甘える”ね。使い道はソレね。

 僕はちょっと頭のなかで想像してみた。


「ねえ、パパ。ドラゴンテイル買って。買って。買って。ねえ、パパ。らんらんのお願い」

「ははは。またかい? らんらん。この前も竜の剣、買ってやったばっかりじゃないか」

「だって、だって、剣も好きだけど、鞭はもっと好きなんだもん。おねが〜い。ね? パパ」

「しょうがないなぁ。よしよし。買ってやろう」


 キャバクラじゃないか!


 僕がそんな妄想をはびこらしてるうちに、三村くんがブーメランを投げた。先頭のぽよぽよが倒れてるんで、スライムに直撃。スライムが倒れた。

 みんな、強いなぁ。


 ん? でも、一匹残ってるぞ。

 メラりんだ。

 ブーメランはグループに関係なく敵全体に攻撃できる優れもの。三村くんの攻撃をかわしたのか。


「かーくんさんの番ですよ。メラりんを倒してください」

「う、うん」


 僕は銅の剣をにぎりなおした。

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