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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
第六部 ミルキー城の決戦にむけて 十六章 まず鍛えよう
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銀晶石のゴーレム



 大きさは以前、僕がアンドーくんたちと廃墟で戦ったゴーレムより小さい。いや、もっと言えば、《《かなり》》小さい。あれの四分の一ていどだ。つまり、およそ1.5メートルほど。僕や蘭さんより小さい。

 それにしても、ゴーレムはゴーレムだし、銀色のボディーがギラギラして目に痛い。


「派手なゴーレムだなぁ」

「あのボディー、もしかして銀晶石なんじゃないですか?」

「そうかも」

「メンバーが三人じゃキツイかもしれませんね。バランに出てきてもらいましょう」

「あっ、でも、聞き耳したいな」

「ケロちゃんに下がってもらうのが無難かな。レベル1だし」


 ケロちゃんをさげて、ぽよちゃんとバランを出す。これ正解。

 しかし、ケロちゃんが聞いてくれなかった。知力が低いんで、命令を聞いてくれないらしい。新しい服を着て、新しい武器を持ったんで、嬉しくてテンションが上がってしまってるようだ。


 しかたなく、バランに出てきてもらって、とりあえず、かばうと守るをキープする。


 ターン開始時。

 ケロちゃんの自動石化攻撃!

 が、銀晶石のゴーレムはあざ笑うように、首をクルクル回転させた。


 あっ、思いだしてきたぞ。

 ゴーレムの得意技は両腕をふりおろしてのグルグルボディー回転フルスイングだった。

 たぶん、このチビっこいゴーレムも似たような技を使うんだ。


「石化、効かなかったみたいですね」

「うん」


 薔薇が舞った。

 アロマの香り〜

 でも、これもゴーレムには効いてるふしがない。


「目くらまし、かからないタイプかな?」

「そうかも」


 でも、まあ、薔薇の優秀なところは、味方の攻撃力を上げるところだ。もっと、がんばろ〜の効果は嬉しい。


「ねえ、かーくん。こいつ、魅了が効くのかな?」

「やってみたら? 僕もチューチューしてみる」


 バランがいるし、敵も一体だけだし、少しくらい遊んでも負けることはないだろう。


 蘭さんはゴーレムの前にひざまずいて両手を組んだ。


「ねえ、銀晶石のゴーレムさん。僕たちといっしょに戦わない? 仲間になって旅に出ようよ?」


 ゴーレムは頭をグルグルまわした。

 これは、きっと『ノー』の意味なんだろうな。


 蘭さんはあきらめない。

 なにしろ四回行動できるんで、しつこく勧誘する。

 ちょっと小首をかしげて、うるんだ目で見つめる攻撃に出た!

 人間なら一発でキマってるんだけど、ゴーレムは首グルグル。

 やっぱり石だからかなぁ?

 人間と違って“心”がないのかもしれない。


 蘭さんの行動が終わった。

 蘭さんは悔しそうな顔つきで、待機行動に入る。


 次はバラン。

 バランは迷ってる。


「誰に守るを使いましょうか? 二回行動はできるようです」

「ケロちゃんが弱いから、守ってあげてください。もう一人は僕か、かーくん」

「ロランでいいよ。僕ら、状態異常にもならないし、ゴーレムの攻撃がどんなものでも、そんなに苦戦はしないと思う」

「では、私は勇者ロランをお守りいたします」


 バランは守るを蘭さんとケロちゃんに使った。

 次は僕の番だ。

 さ、ストロー刺して、チューチューと……チューチューと……?

 ん? ストロー刺さらない?


「こいつ、固いんだけど!」


 つまみ食いは不発に終わった。

 おかしいな。これまで不発なんてなかったのに。

 どうしちゃったんだ? 僕?

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