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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
第六部 ミルキー城の決戦にむけて 十六章 まず鍛えよう
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銀晶石の森



 やって来ました。

 銀晶石の森〜


 きれいな名前の森だなぁと思ってたんだけど、ぱっと見はふつうの森。ブナとかケヤキが多い。ただ、なかに入りこむと、森のあちこちにキラキラと輝く結晶が目についた。銀色に輝く結晶体が花のような形になってる。

 これが銀晶石の原石か。キレイだなぁ。


「これを持って帰ればいいのかな?」

「そうなんじゃないですか?」

「ダルトさんたちがいない」

「何度も合成屋さんの依頼を受けてるみたいだから、きっとよく採れる場所を知ってるんでしょうね」

「そっか。もっと大量に採掘できるところがあるんだね」


 たしかに合成屋で使ってた銀晶石は、こんな形じゃなかった。もっとこう、コロコロしてたね。


「じゃあ、奥にむかっていこうか」

「モンスターが出たら、僕が魅了するから、かーくんはそのあいだにつまみ食いしてね」

「うん」


 モンスターたちは馬車のなか。

 とりあえず外にいるのは、ぽよちゃんとバランだ。ぽよちゃんはこういう自然のなかを歩くのが大好きみたいだ。


 しばらくすると、スライムが出てきた。一度に六体だ。多い……多いなぁ。

 もちろんスライムなんて、ぜんぜん敵じゃないんだけど。

 もしかして、レベルがすごく高いとか?


「ぽよちゃん。聞き耳してくれる?」

「キュイ〜」


 お耳ピクピクからの情報収集。

 けど、とくに強くもない、レベル1のスライムだ。始まりの街付近にいるやつ。


「うーん。HP3とかだよ。なんで、こんな初期の子たちが大量発生してるのかなぁ?」

「不思議ですねぇ。でも、あの無礼な騎士に言われたから特訓はします。言われっぱなしなんて悔しいですからね」


 あはは。負けず嫌いなとこも現実のままだなぁ。蘭さん。


 ああ、それにしても、幸せそうにプルプルしてるスライムたち。可愛いなぁ。目玉がね。黒いビーズみたいなんだよね。

 木刀で叩いたっけなぁ。

 あっ、あの木刀、盗んだままだ。てか、三村くんに売ってしまった。


 いきなりバランの薔薇が発動して、あたりはバラの花びらの乱舞。

 スライムたちが目をチカチカさせてる。


 蘭さんはスライムたちの前に歩いていった。


「スライムさんたち、僕といっしょに戦わない? 魔王の城につれてってあげるよ?」


 あっ! スライムたちが逃げだした。

 ちょっ、ちょっと待ってぇー!

 僕のストローチューチューがまだなんだけどー!


「あれ? 逃げちゃった」

「強すぎるんだよ! 僕たち。レベル差がありすぎると逃げるじゃん」


 例のゲームでは、そうだった。

 あまりにも強くなってから始まりの街とかで、モンスターを仲間にしようとすると、みんな戦う前に逃げだした。


「えっ? そうなの? 僕の魅了にかからないなんて、どうかしてる」

「目くらましにかかってたからね。目が見えてないんだから、魅力がわからないんじゃないの?」

「あっ、そうなのか」


 困ったな。

 これじゃ特訓にならない。

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