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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
第六部 ミルキー城の決戦にむけて 十六章 まず鍛えよう
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ミルキー城攻略のために



 近くに小川が流れていた。

 水音って心地いいなぁ。

 風が樹木の葉をなでる音も好きだ。

 ロッジのなかには暖炉があって、そこで湯をわかしたり、煮物の鍋をかけることなんかはできる。

 外にはパンやピザを焼くような窯があり、まきをくべて豪快に肉や魚を焼くことのできる場所もある。

 ロッジの裏側に、離れになったお風呂場があった。これも薪をたいて湯をわかす昭和風のやつだね。


 なんか、ガスや電気になれて、なんでも指一本でスイッチをひねればできてたけど、こういうのもキャンプみたいで楽しい。


「炊き出しなら、わが作うよ。明日は市場も行きたいが。野菜はそのうち自給できぃとして、肉や魚や卵は買ってこらんとねぇ」


 アンドーくんが言うので、僕はそくざに食費として十万円を渡した。

 とは言え、今日のところは食材もないので、庭師の人たちのための食堂へ行く。厨房の裏口から入っていける小さな食堂だ。


 食後はロッジに帰って部屋割りを考える。

 ロッジのなかは入ってすぐに居間があり、そのまわりに四つ個室がある。居間の上にはロフトがあった。

 今日のところは人間の数が四人だから、個室をそれぞれ使えるけど、三村くんが帰ってきたら、部屋が一つ足りないなぁ。ロフトで寝てもらうしかないか。

 これ以上、人間が増えたら……雑魚寝かな?


 そうこうしてるうちに、蘭さんが帰ってきた。


「お帰り。蘭さん。おつかれさま。夕食、もらってきてあるよ。食べる?」と言ったあと、僕は蘭さん、スズランに続いて室内に入ってくる人に気づいた。

 またもや、僕のヒーローだ!

 ギャー! ぽよちゃんお腹にのっけて、モフモフしてたとこ見られたー!

 ぽよぽよ同士のグルーミングだと思われただろうか?


 ワレスさんは僕の挙動には不問で、クールに告げる。


「悪いな。勇者には話したが、大事な用がある」

「はい! な、なんでしょう?」

「おまえたちの実戦での戦いぶりをクルウから聞いた。そのレベルにしては、かなりよくやってるほうだと思う。何より装備品の質が高いな。ただ、現状、装備品頼みなところがなきにしもあらずだ」


 うん。まあ、そう言われると耳が痛い。確実に急所をついてくる。強い人は言葉まで鋭いなぁ。


「そこで、おまえたちには集中訓練で鍛えてもらう。作戦開始までに、できるかぎり強くなれ」

「えっ? どうやってですか?」

「それぞれに課題を出す。最終日に試験をし、それに合格できたら出発だ」

「課題、ですか」


 宿題から解放されて、はや何年?

 課題かぁ。小銭拾いならいいんだけどなぁ。

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