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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
十五章 やっと再会
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さすがはもと貿易商



「ポルッカさん。じゃあ、僕らは去りますが、その前にお屋敷のなかを見学してもいいですか?」

「かまいませんことよ。一階にはお店や宿屋もございますからね」

「あっ、そうなんですね」


 僕らはポルッカさんやマルッカ、ムルッカに手をふって、大広間をあとにした。

 魔法が解けるときに何かが起こったらしく、馬車はいなくなってる。たぶん、屋敷の外なんだろう。

 戦っていたメンバーだけで、ろうかを歩いていく。


 さっき入れなかった二階の部屋には、ポルッカさんの寝室や人形を飾った部屋やドールハウスの部屋があった。人形だらけだ。

 ポルッカさんの寝室には、ポルッカさんの若いころだろうなと思える肖像画が飾ってあった。なんとなく面影がある。となりに立ってる男の人は、ポルッカさんをすてて、どこかへ行ってしまったっていう婚約者なのかなぁ?

 こんなのを飾ってるなんて、ほんとはポルッカさん、その人のこと、まだ好きなんだ。


 二階には人形製作できる道具のたくさん置いてある一室があった。

 それを見ながら、シャケがムニャムニャ言ってたけど、僕らは無視して一階へおりていく。


 うーん。ホールにおりると、玄関のすぐよこに店屋があった。それはいいんだけど……なんで? どうやって?

 カウンターに座ってるのが、ポルッカさんなんだよなぁ。


「い、いらっしゃいませ。何かお入り用ですか?」


 息きらしてるけど、大丈夫かな?


「あの、ポルッカさんですよね?」

「すみません。急なことでしたのでね。次からはバイトを雇っておきますわ」

「あ、そうなんですね」


 老体にムチ打ってるようで申しわけないけど、商品は気になる。なにしろ、すごい貿易商だったみたいだし。


「ここは何屋なんですか?」

「雑貨屋となっておりますわ」

「どんな品物があるんです?」

「品ぞろえはこちらになります」


 ここもお品書きだ。

 武器や防具はあんまりない。

 シルバーシリーズだ。

 武器はシルバーナイフとシルバーソードが置かれていた。ナッツにあげたシルバーナイフね。やっと呪いのついてないやつが店にならんだか。


 防具には、銀の盾っていうのがあって、防御力もまあまあ。魔法ダメージを10%だけ減らしてくれる。


「えーと。じゃあ、アンドーくんにシルバーナイフでしょ。クマりんにシルバーソードでしょ。あっ、ケロよんは何が装備できるのかなぁ? まあ、いいや。かぶとはないんですね。よろいも。盾だけかぁ。じゃあ、銀の盾四つ」

「あらまあ。たくさん買ってくれるのねぇ。ありがとう」

「あっ、ちなみにこの店ってギルドに加入してます?」

「もちろんですよ」

「じゃあ、20%オフでお願いします。僕、冒険者ランクA Aなんですよ」


 ふふふ。ダブルAに渡されるピカピカのバッジ。純金製だ。

 ミャーコポシェットから出してみせると、ポルッカさんは目を丸くした。


「あらまあ! 初めて見ましたよ。どおりで強いのねえ。それなら、お安くしますよ」


 へへへ。たっぷり寄付してるからねぇ。

 まあ、それでも、シルバーシリーズのなかで一番高い盾でさえ五千五百円だからねぇ。割引してもらうほどでもなかったんだけど。


 武器防具を買って立ち去ろうとしたものの、僕は見つけた。


「あっ! 天使の羽が売ってる!」

「はいはい。どんな状態異常でも治してくれる長旅には必須のアイテムですよ」


 これがさっきあれば、どんだけ戦いが楽だったことか。


「じゃあ、それ、百個ください!」

「百個……ですか? お一つ千円しますよ? 二割引きにしても、百個なら八万円しますけど?」

「なんだ。八万円か。じゃあ、二百個ください!」

「あらあらまあまあ。ほほほ。ありがとうございます」


 これでもう石化攻撃責めにあっても安心だー! どんと来い。石化!

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