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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
十五章 やっと再会
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ポルッカ戦!6



 二重らせんを描くまばゆい光がやんだとき、敵は一瞬で一掃されていた。

 バジリスク隊長ABも、四体のケロよんも目をまわして倒れている。


 ポルッカさんだけが白目をむきながら立っていた。

 まだ倒れないんだ。

 やけに強いな。

 この人、ほんとにただの老婆なのか?


「あと少しですね。もう倒せますよ」

「そうだね」


 僕らが剣をかまえなおしたときだ。

 マルッカとムルッカがとびだした。


「ママー!」

「ママをいじめないで?」


 うっ。いじめてるわけじゃないんだけどな。

 痛い。子どもの涙目は痛い。


 どうしようかと戸惑っていたときだ。

 ポルッカさんが白目をむいたまま、笑いだした。


「ハハハーッ! きさまが勇者か! この子どもの命が惜しければ、おとなしく私めに殺されるがよい!」


 おかしい。

 コイツ、ポルッカさんじゃないぞ。

 口調もさっきと変わったし、声が違う。


「悪のヤドリギだ!」


 僕は気づいた。

 ポルッカさんの喉のところがモコモコしてる。

 ヤドリギのカケラだ!

 ポルッカさんが失神してるから、あいつがポルッカさんの体をあやつってるんだ。


 ヤドリギに支配されたポルッカさんは、ムルッカをつかんで、どっかからとりだしてきたナイフを喉元につきつけた。


 ひ、卑怯な……。

 ポルッカさんだって、ほんとはそんなことしたくないんだよ?

 きっと心のなかでは泣いてるんだ。


 蘭さんは歯ぎしりしている。

 誰も動けない。

 一歩でも動いたら、ムルッカが切りさかれてしまう。


 でも、そのとき、僕はふと思いついた。

 そうだ。あの技は残りHPが少ないほど高い確率で発動するんだよな。


 僕がチラリと横目で見ると、アンドーくんはうなずいた。

 アンドーくんの姿が、ふつっと消える。


「ハハハハーッ! さあ、勇者、観念するがいい! 私めが成敗してくれますよ?」


 高笑いしてるけど、見えてないんだな。

 もしかして白目むいてるから?

 いやいや、でも僕らのことは見えてるみたいだからな。白目でも見えるんだ。


「ハハハハハーッ! さすがに勇者でも手出しできぬみたいよのぉ。ほほほ。おまえを殺して手柄にしてくれるわ!」


 どうでもいいけど、えらく長広舌。

 よくしゃべるなぁ。

 あんまりいい気なって、そんなにひっぱってると、どんなめにあうかわかんないよ?


「ハハハ! ハハハハハハハハーッ!」


 えい。ポコリ!


 とつぜん、ポルッカさんは倒れた。

 ポワーっとポルッカさんの口から、ヤドリギのカケラがとびだしてくる。


 アンドーくん、隠れ身発動中!

 やったね!

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