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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
十五章 やっと再会
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ポルッカ戦!1



 ジャラジャラと底ごもる不気味な音楽が、あたりに鳴りわたる。

 ああ……ボス戦に突入しそうな、このふんいき。


「おまえか! おまえが、あたしのキレイな屋敷を荒らしにきたんだね! ゆるさないよ!」


 悪霊に取り憑かれたようなポルッカさんは、ステッキをとりだした。ムルッカにむかって、それをふりおろそうとする。

 ムルッカは悲しげな瞳でポルッカさんを見つめている。抵抗するようすがない。

 ああっ! このままじゃ、ほんとに叩かれちゃうよ。

 これは見すごせない!


 僕は急いで広間のなかへ走っていった。ムルッカの前にとびだす。


「ちょっと待ったー! 僕らが相手だ!」

「……女? なかなか可愛いらしい子ざますね」

「違うよ! 男だよ!」

「ウソばっかり。ほほほ」


 これは喜んでいいのか、悲しむべきなのか。悲しむべきなんだろうな。やっぱり。くすん……。


「かーくん。元気出しや」

「そのうち、いいこともああわね」


 大阪弁と出雲弁でなぐさめられた。


「と、とにかく、僕らが相手なんで」

「ヒイッ。男! けがらわしいざます! みんな、やっておしまい!」


 ああ……三村くんとアンドーくんのことは、ちゃんと男だとわかるんだ。いや、そりゃわかるけどさ。

 なんで、僕だけ……。


「かーくんたち。来てくれたんですね!」

「あっ、ロラン。大丈夫だった?」

「うん。このおばあさんは一人でさみしかっただけなんです。仕事に一生懸命で、ずっと結婚せずに生きてきたから。だから、たくさんの人形といっしょに暮らしてたんだけど……ヤドリギのカケラに取り憑かれてしまったみたい。さみしい気持ちを利用されて、通りすがりの女の子をさらっていたようです。僕のことも女の子だと勘違いしたんですね」


 だよね。僕が間違われるんなら、蘭さんは当然。


「さあ、ヤドリギのカケラを倒して、ポルッカさんを助けましょう」

「そうだね」


 よかった。蘭さんと合流だ〜!

 蘭さんとスズランちゃんが戻ってきた。華やか〜


「じゃあ、誰が戦う?」


 僕がたずねると、蘭さんは考えた。


「誰がどのくらい強くなったんだろう? 僕はレベル25になりました」

「そっか。ロランは僕やシャケよりレベル高かったもんね」

「おれは24や」と、三村くん。


 へへへ。僕はレベルは22だけど、数値はレベル25くらいには相当するもんね。


「お供がいっしょに出るかどうかだよね。出るとしたら、この屋敷だと石化攻撃してくるヤツだね。てことは、石化が効かない装備のシャケとバランは外せない。あと、ロランとぽよちゃんはタイプが似てるから、今回はロランがリーダーで戦おっか。ぽよちゃんは馬車で待機してね」

「キュイ」

「あと一人は僕かな。回復役のスズランやたまりんはピンチになったら交代で出てもらうようにして」


 ほんとは、くまりんのパパ呼びも大ダメージを一ターンで出せるスゴイ技なんだけど、石化すると困るから今回は待機だ。早く状態異常をふせぐ装備が欲しいなぁ。


 よーし。ひさびさの蘭さんとの共闘だ!

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