ポルッカ屋敷(階段)
一階には食堂や、遊び部屋や、物置があった。どこもかしこも、オモチャの国に迷いこんだように可愛らしい。
出てくるモンスターも可愛らしい。
シマウマのぬいぐるみのシマりんや、おサルのぬいぐるみのサルサルや、ライオンのぬいぐるみのガォーんだ。
たまに、あの本のモンスターのブッキーや、バジリスク、ミニドラゴンも出てくる。
可愛いモンスターと、魔王軍のなかでは可愛いモンスターって感じだ。
人間は今のところ、マルッカしかいない。
「マルッカのお母さんはポルッカさんなの?」
「うん! マルッカのママ。ポルッカ」
ポルッカさんって女の人だったのか。
かつて貿易商を営んでいた変人の金持ちっていうから、てっきり男だと思ってた。
屋敷のなかの宝箱は小さなコイン一択。そのほかはない。
ブッキーがいるから、魔法のカード集めにいいよね。とくに黄色い本はサンダー系の魔法を落とすし。
「あれ? なんか、ついてくるね」
「水色のクマやで」
「ほんとだ。さっきの子グマちゃんだ。変だなぁ。ロランがいないのに、モンスターがついてくるなんて」
水色のクマは僕らが立ちどまると、あたりまえの顔して、馬車のなかに入った。クマりんとならんで座る。
「お友達になったのかな?」
「せやなぁ」
まあ、ついてくるならそれもいい。
馬車に乗りこめてるのは、蘭さんがいないからパーティーメンバーが八人に達してないってことかな?
僕は水色の子グマちゃんのステータスを見ようとした。けど、なぜか見れない。変だなぁー。
「じゃあ、一階は全部、調べたから、二階に行こうか」
「階段やで。馬車、のぼれんのかいな?」
「ムリなら、ここで馬車は持ってもらうしかないかなぁ」
問題なかった!
らせん階段を馬車は器用にのぼる。
やっぱり物理法則に反してるなぁ。
屋敷は二階建てだ。
地下室はないみたいだから、何かがあるとしたら、この二階しかないんだけど。
二階に上がるとすぐ、何かがとびだしてきた。
ここで、テロップ〜
野生の男の子が現れた!
野生のクマちゃんが現れた!
男の子も野生かっ!