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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
十四章 消えた勇者
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ポルッカ屋敷(一階ろうか)



 野生の子グマちゃんが出てきたときに、僕は気づくべきだった。

 目の前にならんだ三体のモンスターは、全部、ぬいぐるみだ。

 野生の女の子っていうのも、人間じゃなく、黄色い毛糸の髪をおさげにした人形だった。

 ちょっと、ホッ。

 いくらキテレツな世界だからって、女の子が野生なわけないか。


「野生のモンスターもいるんだね」

「ほんまやな」


 僕らの会話に、クルウが答える。


「おそらく、この屋敷は今、魔王軍の何者かに占拠されています。その者の魔力で屋敷のなかがダンジョンと化しているのです。庭でもそうでしたが、出てくるモンスターはこの屋敷にもともとあるものが姿を変えて現れているのだと考えられます」

「なるほど。じゃあ、大元の魔王軍のヤツを倒さないと、この屋敷はこのままなんですね?」

「そういうことですね」

「なんで、魔王がこの屋敷に目をつけたんでしょう?」

「屋敷のなかに魔王にとって都合の悪いものがあるのかもしれません。ポルッカさんは小さなコインを集めてきた人にお礼の品を渡していました。貴重な品物が多いようですから、そのせいでは?」

「なるほど」


 あっ! またまた話しこんでしまった。

 戦闘中だった。

 子グマちゃんやケロよんが待ちくたびれた顔してる。

 可愛いなぁ。ひさしぶりに文句なくプリティーなモンスターだ。可愛いモンスターいっぱいってタグはウソじゃないんですよ。いや、ほんと……。


 子グマちゃんは色がクマりんとは違う。クマりんはピンクだけど、この子は水色だ。首に結んでるリボンが紫色。


 ケロよんはデフォルメされまくったカエルね。黄緑色でお腹がポッコリして白い。


 女の子は前述のとおり、おさげでワンピースを着てる。不思議の国のアリスみたいなエプロンドレスだ。頭にボンネットもかぶってる。


「戦うのがかわいそうな感じ……」

「子グマちゃんは油断しとったら、こっちがやられんで」

「そうだけど」


 とりあえず、聞き耳だ。

 僕がぽよちゃんに頼もうとしたとき、馬車のなかからクマりんがとびだしてきた。子グマちゃんの姿を見て、ガマンできなくなったようだ。

 そういえば、ぽよちゃんも黒ぽよや茶ぽよが出てきたとき、気になってたみたいだもんな。


「かーくん。クマリンが戦いたいみたいやな」

「しょうがないね。じゃあ、アンドーくん、交代で」

「うん。いいよ」


 ってわけで、こっちは僕、ぽよちゃん、バラン、クマりんだ。

 戦士系ばっかりになったな。

 バランスよく戦えるかな?

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