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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
十四章 消えた勇者
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ポルッカ屋敷(玄関ホール)



 玄関にカギはかかっていなかった。キイっと軽い音を立てて、両扉がひらく。

 玄関ホールが見える。

 なかは無人だ。

 だぁーれもいない。


 見た感じ、ふつうの屋敷……いや、ちょっとふつうとも言えないかな。

 やけにぬいぐるみとか女の子のお人形とか、いっぱい飾ってあって、壁紙も可愛いイチゴもよう。

 小さい女の子でもいるのかな?


「こうやって見ると魔物なんか出そうもないけど……」

「油断したらあかんで。玄関前にバジリスク隊長おったんやからな」


 まあ、そうだ。

 野生じゃないモンスター。

 それは明らかに魔王軍の魔物だ。

 なんで、こんな一般人の家に魔王軍が?


 僕らはそっと家のなかに入った。

 あたりまえに考えたら、どうやっても不可能なはずなのに、なぜか馬車で入れてしまう。そんなバカな。物理法則に反してる。

 でも、たいていのゲームでは不自然な場所へも馬車で入れたもんな。きっと魔法だぁ。あはは〜


「誰もおれへんな」

「でも、小銭拾うから、ダンジョン化はしてるよ」


 一回につき十六万拾うよ。

 街に帰るまでに稼がないとねぇ。


 ひそひそ話しながら歩いていると、どこからか声が聞こえてきた。女の泣き声だったような?

 こ、怖い……なんで泣き声?

 そ、そうだった。この近くでは女の人が行方不明になるんだ。

 まさかと思うけど、さらわれた人が、こっ……殺されたり……?

 ひぃっ。そんなのヤダよっ。


 僕がブルブルしてると、背後から物音が。


「な、何? 今の?」

「かーくん。ここにはゾンビは出らんだない?」

「ゾンビの話なんかしないでよぉ」

「かーくんは肝が細いけんねぇ」


 ううっ。どうせ、ぽよぽよですよぉ。


 トコトコ——


「や、やっぱり、なんかいる! 足音した!」

「おるなぁ」

「な、なんだろう?」


 今度は僕らの前を影がよぎった。

 子どもかな? 小さい。


 ビクビク。ドキドキ……。


 トコトコトコ——


 いきなり、テロップが流れた。



 野生のクマちゃんが現れた!

 野生のケロよんが現れた!

 野生の女の子が現れた!



 野生の女の子ってなんだよっ?

 この世界って、なんかツッコミどころ満載なんだよなぁ。

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