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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
十四章 消えた勇者
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バジリスクの涙



 バジリスク隊長を倒した!

 450の経験値を得た。

 500円を手に入れた。

 バジリスク隊長が宝箱を落とした。

 バジリスクの涙を手に入れた。



 はぁ。か、勝てた。

 傭兵呼び、早めに覚えといてよかった。やっぱり僕にとっての最強攻撃だ。


 パチパチパチと手を叩く音がする。

 クルウだ。


「正解です。軍師としても悪くないですね。だが、仲間の魔法やスキルを、日ごろからもっと研究しておくほうがいい」

「そうですね。ぽよちゃんの『弱点つくよ〜』を使ってれば、もっと早くに倒せてた」


 僕はバジリスク隊長のこぼした涙をひろいあげた。涙と言っても液体じゃない。石化の魔法がかかったのか、隊長の流した涙がそのままティアドロップ形のクリスタルになってる。


 クルウが説明してくれた。

「バジリスクの涙は合成素材です。石化無効の効果を発揮します」

「合成かぁ。ワレスさんも前に言ってましたね」

「シルバースターのギルドには合成屋があります。帰ったら利用するといいでしょう」


 ふうん。そんなのがあるのか。

 ぶじに蘭さんを救出したら、王都でいろいろ楽しむぞ。


 それはともかく、今は石化されてしまったアンドーくんとバランをどうするかだ。


「あの、クルウさん。石化って、どうやったら治せるんですか? 教会ですか?」

「教会でも治せますし、戦闘不能以外のすべての状態異常を治す魔法『なんでも治れ〜』か、それと同じ働きをしてくれる天使の羽というアイテムを使用するかです」


 ん? 天使の羽?

 なんか、それに似た名前のもの持ってたな。


「あっ、これだ。天使の羽飾りって。これは装飾品か」

「おやおや。これは全状態異常を無効にしてくれるお守りですよ。持っているなら、装備しておけばよかったのに」

「えっ? そうなんですね」


 あーあ。知ってれば、これをバランに持たせておけばよかった。バランはかばうや守るで、敵の攻撃にさらされる確率が高い。状態異常をふせげたら守備は万全だ。


「あなたはおかしな人ですね。さっきから見ていると、製造法を忘れられてしまい、作られなくなって久しい竜鱗シリーズや、失われし古代の秘宝である薔薇水晶を冠した杖など、今では手に入らないものばかり所持している」

「へえー。そうなんですかぁ」


 やっぱり、もっとたくさん買っとけばよかったなぁ。あの亡霊店主から。

 どれもこれも、すごい逸品だったんだ。呪いつきだけど……。


「さきを急ぐのでしょう? 今のところは私が天使の羽をさしあげましょう」

「ありがとうございます!」


 よかったぁ。

 アンドーくんとバランが元に戻った。

 ジャマなバジリスク隊長も倒したし、これで屋敷のなかへ進めるぞ!

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