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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
十四章 消えた勇者
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バジリスク隊長戦!4



 ほんとは助けてもらいたい。

 でも、逆に言えば、クルウが残ってるかぎり、僕らが全滅あつかいになることはないんじゃ?


「……もう一ターン、待ってもらっていいですか?」

「かまいませんよ」

「じゃあ、次で終わらせます」


 勝算はないわけじゃない。

 石化状態でいるかぎり、バジリスク隊長が無敵だったから、解けるのを待っていただけだ。まさか解ける瞬間に、あんないやらしい技を使ってくるなんて予想もしなかったけど。


 さてと、僕はここに来るまでに、いくら拾ったかな?

 ステータス画面で所持金を確認。

 うん。村の端から屋敷まで、ほんの三百メートルほどだったけど、二百八十万、拾ったのか。出かける前から持ってた十九万とで、総額は約三百万円だ。じっさいにはちょっと超えてるけど。


「メンバーは交代しないのですか? 石化異常が二人もいる」と、クルウに聞かれたけど、僕は首をふった。

「このターンは僕とぽよちゃんだけで戦います」

「そう。お手並み拝見といきましょう」


 ふふふ。僕がぽよぽよじゃないとこを見せとかないとね。

 あっ。何度も言うようだけど、ぽよちゃんは、ただのぽよぽよじゃないよ? 平原の王。ぽよぽよのなかの、ぽよぽよだ。


 さて、そのぽよちゃん。

 ためるは一回しかしてないから、テンションは四分の一しか上がってない。でも、バランが倒れる前に、合計五回、みんな、もっとがんばろ〜の効果をかけてくれた。


 がんばろ〜の効果は、攻撃力を20%アップしてくれるようだ。

 もっとがんばろ〜は30%くらいかな。

 詳細説明にも書かれてないけど、これまでの経験から言って、それくらい。

 もっとがんばろ〜五回だから、攻撃力150%増し。通常の2.5倍のダメージを与えられる。


 ちなみに、ぽよちゃんの今のステータスは?


 レベルは僕と同じ、22。

 HP117、MP52、力50、体力51、知力70、素早さ105、器用さ82、幸運111。


 マジックが増えてる。

 弱点つくよ〜(・・*)(*・・)キョロキョロ

 ってやつだ。

 詳細を見ると、ターゲットの苦手な属性を通常攻撃につけるらしい。弱点がない場合は魔法がからぶりになる。


 そうか。そんな魔法があったなら、もっと早い段階で使ってもらっとけばよかった。風属性魔法を使える人がいないから重宝したのにな。

 まあ、今の場合はもう後の祭りなんで、その魔法は次の機会にってことで。


 ぽよちゃんの力が50。武器攻撃力が135。計185。これの2.5倍だから、現在の攻撃力は462! ワレスさんやクルウに匹敵する。


 バジリスク隊長の防御力が100くらいなのかな? 150? もしも200以上だったら、ぽよちゃんの攻撃は“ためる”の効果があったとしても、合計で500弱だ。そんなに防御高くはないだろうと思うけど、もしもってことがある。

 バジリスク隊長の今のHPは600。

 ぽよちゃんの攻撃でけずりきれない可能性がなきにしもあらず。


 それに、ぽよちゃんは二回攻撃できるけど、僕は一回だ。お供のバジリスクが二匹になっちゃったから、三体をこの1ターンで確実に倒すためには、三回攻撃を有効に使わないといけない。

 一回で一体ずつを必ず倒さないと。

 そりゃ、お供は残ったって、次のターンで倒せばいいんだけどさ。

 一発で終わりにしないと、クルウに笑われちゃうぞ。


 そう。これは、かーくんの意地なのだ。ぽよぽよにだって誇りはあるー!


「じゃ、ぽよちゃんはお供のバジリスク二体、倒してね」

「キュイキュイ?」

「そう。お供」

「キュイ!」


 あっ、ぽよぽよ語が通じてる。


 ぽよちゃんの攻撃!

 シャッ、シャッと青い閃光!

 お供はひっくりかえった。


 よし。やるぞ。僕の番だ!


「ひひひ。傭兵呼び〜!」


 パカラパッパパー!

 どこからか進軍のラッパが鳴りひびき、ドカドカと固い軍靴ぐんかの音が近づいてくる。

 それも一つや二つじゃない。

 百か二百……いや、もっと?

 いっぱい、いっぱいだ。

 これが本来の演出だったんだなぁ。


 それにしても、いったい、このスキル、どうなってるんだろ?

 この世界には、どこで〇ドアが存在してるのか?

 どこからともなく大勢の兵隊が現れて、「わあーッ!」と叫びながらバジリスク隊長に突進していく。

 バジリスク隊長はボコボコにタコなぐりにされて、涙を流しながら地に伏した。


 どうよ? 三万ダメージのお味は?

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