表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
十四章 消えた勇者
202/377

剣の舞、おぼえたい



「わあっ。スゴイ! 攻撃が速すぎて見えない! 通常攻撃だったはずなのに、なんで四体同時に倒れたんですか? 装備品が全体攻撃可能なやつですか?」


 クルウはひかえめに微笑んでる。

 僕ならめっちゃドヤ顔するけどね!


「剣の舞は通常攻撃をつねに全体攻撃にしてくれます」

「いいなぁ。なんの職業につけば覚えられるんですか?」

「武闘王のマスタースキルです」

「武闘王になるには、どんな職業を学んでいけば?」

「戦士、武闘家、騎士を得ての武闘王ですね。重騎士はさらにその上の上級職です」

「ワレスさんは聖騎士でしたよね?」

「聖騎士には僧侶をマスターしてからでないとなれないのです。私には魔法の才能がないので」

「なるほど」


 もしかして、この世界にはたくさん職業があるかわりに、個人によってはなれない職業もあるのかな?

 全職業制覇ってわけにはいかないのか。ちょっと残念。


 戦闘が一瞬で終わってしまったので、僕らはガラガラと無人の街道を進んでいく。


 のどかな風景なのに誰もいないのって、なんか不気味だなぁ。

 あっ、またモンスターだ。

 今度こそ、僕らが戦おう。



 野生のブンブンが現れた。

 野生のキノッコが現れた。

 野生のバジリスクが現れた。



「よしっ。今度こそ、やるよ。ぽよちゃん。聞き耳」

「キュイ」


 敵の数値が怖いほど低いなぁ。

 バジリスクとか、攻撃力じたいは30しかない。

 ワレスさんやクルウや、強い人の数値を見すぎてしまった。


 行動パターンは三村くんの言ってたとおり、バジリスクは石化攻撃。

 キノッコは胞子って技を使う。どうやら分身しながら睡眠攻撃をしかけてくる技だ。

 ブンブンは刺す……か。

 お尻の針で刺してくるんだな。

 通常攻撃しかしないのか?


「石化は困るんで、バジリスクは優先ね。キノッコも増えるとめんどうだから、二番めに倒して、最後にブンブンかな」

「了解や」

「キュイ〜」

「薔薇ー!」


 ビックリした。

 バラン、急に始めたな。

 自動発動だから、みんなが行動する前に勝手にやっちゃうってことか。


 あたりにいちめん、薔薇の花が咲いて、そりゃもう豪華絢爛ごうかけんらんな技だ。派手さでは今まで見たなかで最高かも。


 おおっ、僕の力が湧いてくる。

 蘭さんの『みんな、がんばろ〜』を二回かけられたときくらいの感覚。

 反対にバジリスクやキノッコは目をチカチカさせていた。目が見えていない。これはチャンスだ。


 これまでの順番だと、ぽよちゃんが最速だったんだけど、薔薇の効果で全ステータスにプラス100されたバランのほうが素早いらしい。バランは二連続で、ぽよちゃんと僕に守るを使った。守るは山びこが使ってた技だよね。対象に攻撃されそうになると、かばってカウンター攻撃するやつ。

 そうか。バランも守るが使えるのか。

 クルウと同じ騎士だしね。


 そういえば離れてたあいだに、バランは強くなったのかな?

 ちょっとステータスをのぞいてみる。


 レベルは21。

 HP250、MP20、力75、体力125、知力55、素早さ80、器用さ55、幸運21。

 マジック

 ヘッチャラさ〜(*'▽'*)


 うわっ。数値たっか。

 HPとか、力とか、体力とか、僕より上なんだ。なにげに素早さも速い。やっぱり、黒ぽよに乗ってるからか。

 乗りこなすって得意技がランク2に上がってるんで、くわしく見てみると、ためるが使えるようになってた。

 ためるは、ぽよぽよの得意技だ。てことは、黒ぽよを乗りこなすことによって、ぽよぽよの使う技を自分も使えるようになるってことか。

 聞き耳はパーティーで一人が使えれば充分だけど、二手にわかれるときには、各隊で使えて便利だ。

 それに、はねるが使用可能になれば、素早さも上げることができる。


 しかもだ。

 今はこれにローズクォーツの杖のせいで、毎ターン、もっとがんばろ〜がかかる。ステータスも100ずつプラスされるわけで……5ターンもすると、ワレスさんのステをぬいちゃうんじゃないか?


 つ、強い……。

 鬼に金棒ならぬ、イバラの騎士に薔薇水晶の杖。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ