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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
十四章 消えた勇者
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庭先の戦い



 目の前にとびだしてきた四体のモンスター。


 バジリスクはあんまり大きくない。二十センチくらいのトカゲだ。しっぽがピカピカ青くてキレイなやつ。怖そうには見えないけど、石化攻撃してくるから最優先で倒さないと。


 カマキリンはキリンみたいな網目もようの首の長いカマキリ。カマがやけに大きいんで、攻撃力が高そう。


 キノッコは水玉もようのある赤いカサのキノコだ。細い手足が生えてる。


 ブンブンってのは、さっき三村くんの話のなかには出てこなかったけど、見ためはミツバチの大っきなやつだ。丸っこくて可愛い。


 どれもこれも庭のなかに出てくるようなモンスター。

 つまり、ここってポルッカさんの自宅の庭なんだと思う。


 さて、このときを待ってました。

 ぽよちゃんに聞き耳してもらう前に、僕はまっさきにクルウのステータスを見た。こんなときしか見れないしねぇ。


 クルウのレベルは53。

 あっ、レベルはワレスさんより高いんだ。

 HP750(900)、MP245、力385(499)、体力495(593)、知力290、素早さ250、器用さ255、幸運377。


 うーん。ワレスさんほどではないけど、やっぱりかなり強い。とくに体力はワレスさんより百以上高いんで、もうガチガチだ。これで防具つけたら防御力は700以上なんじゃ?

 HPの高さと固さで、味方を守る騎士なわけか。職業は重騎士。そんなのあるのか。この世界って、けっこう職業の数が多そうだぞ?


 ワレスさんのステータスと見比べると、両者のタイプの違いがよくわかるかな?

 ワレスさんは、これだ。

 HP670(938)、MP420(546)、力410(553)、体力375(412)、知力400(480)、素早さ470(587)、器用さ370(425)、幸運155(170)。


 こうやって見ると、職業マスターのボーナスがいかにありがたいのかわかる。


 ところで、前々から思ってたけど、ここで言う知力はたぶん、I.Qとは別物だ。なぜなら、僕の知力のほうが蘭さんより高いから。現実ではそれはありえない。I.Qで言うなら、断然、蘭さんのほうが高いはず。

 ここでの知力は魔法の効きやすさとか、魔法の覚えやすさとか、そういうものなんだろう。


 まあ、それは置いといて、クルウのステータスだ。

 マジックはワレスさんにくらべて、ずいぶん少ない。


 マジック

 元気いっぱい〜ヽ(*´∀`)

 死なないでぇー!(>ω<、)

 ヘッチャラさ〜(*'▽'*)

 みんな、ヘッチャラさ〜(*'▽'*)


 職業スキル

 軽鎧、重鎧、盾、かぶと、剣装備可能

 両手持ち可能

 かばう

 守る

 剣の舞

 鉄壁


 得意技

 騎士道

 下剋上

 策略


 うん。これもまたクルウっぽいなぁ。


下剋上げこくじょうって、なんですか?」

「パーティーに自分より高いステータスを持つ仲間がいるとき、戦闘中、その数値を必ず1上まわる」

「それって、全ステータスで?」

「さようですね」

「ということは、あなたがワレスさんとパーティーで組んでるとき、ワレスさんの職業マスターで補正された数値より、さらに1高くなる?」

「ええ。隊長とともに戦うときは戦闘が楽ですね」


 なんだそれ。ズルイ。

 ってことは、今から戦闘するあいだ、この人の幸運数値は僕より1高いマックス振りきりってことか。


 僕の考えを読んだようすで、クルウは笑った。


「あなたも面白いステータスだ。おかげで今ならきっと、すべての攻撃がクリティカルになる。あなたがたの戦いぶりも見ておきたいが、なんなら今回だけは私が戦ってみせましょうか?」

「はい。よろしくお願いします」


 僕が頭をさげると、クルウは再度、笑みを浮かべた。

 そして、剣をぬくと——


「剣の舞!」


 勝敗は一瞬でついた。

 クルウが剣をふるった次の瞬間、モンスターの群れは全滅していた。


 何が起こったんだろう……?

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