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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
十四章 消えた勇者
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竜の加護と薔薇の舞



 わあッと叫ぶから何事かと思えば、三村くんの全身が輝いてる。

 よく見ると、竜の加護ってのが発動していた。


「ふむふむ? 竜の加護は、竜鱗シリーズでそろえることによって発現する隠し効果。毒、石化、麻痺を無効化し、即死系魔法の回避確率を50%アップする。竜のブレス攻撃のダメージを30%カット——ええーっ! めっちゃいいじゃん。もっと買っとけばよかったぁ……呪いつきだったけど、お買い得だったんだ」


 今度、あの廃墟に行けるのは、いつのことか……。


「じゃあ、もしかして、この薔薇水晶ローズクォーツの杖も、じつはスゴイのかな?」


 バランの眉がピクっとする。


「ローズクォーツ? それを見せてはくださらぬか」

「うん。いいよ」


 もう呪いはといてあったので、バランに渡す。

 すると、急にパアッと杖が光った。ピンク色の花の形をした水晶が柄の部分についた銀色の杖なんだけど、バランが持つと水晶の部分がピカピカ輝く。


 見ると、こっちには薔薇の加護っていうのがついてた。薔薇の精が持つと発現するらしい。そんなのイバラの騎士専用道具じゃないか。

 薔薇の加護は薔薇の精の得意技『薔薇』が、つねに発動する効果のようだ。

 そういえば、あったね。謎の得意技。


「バランの薔薇って何?」

「薔薇の花が咲き誇ることによって、私のすべての数値にプラス100されます。さらに花の香りが味方の戦闘意欲を刺激し、『みんな、もっとがんばろ〜』が自動でかかります。そして花が散るときには、花びらの舞が敵を幻惑し、目くらまし状態にします」

「もしかして、毎ターンかかるのかな?」

「本来のこの得意技は戦闘中一回のみです。が、この杖の効果が“つねに”とあるので、毎ターン効果が表れます。また、素早さの数値に関係なくターンの一番最初に発動するので、ボス戦でも便利ですよ」


 むーん。薔薇……わざわざ漢字で書くほどの効果はあった。

 本人の全ステータスが上がるのもスゴイけど、仲間全体に、もっとがんばろ〜の効果が嬉しすぎる。しかも、効果が毎ターンって、バランは戦闘に参加してるだけで、もうほかの行動なんていらないくらいにチートだ。

 ボス戦でも便利ですよ、どころか、なくてはならない存在になるなぁ。バランの防具をもっとよくして、ずっと前に立っていてもらいたい。


「よしっ。これなら、充分でしょ。行くよ!」


 僕らはウェルカムって書かれた門をくぐって、ポルッカランドにふみこんだ。

 ガラガラと馬車は進む。

 数分後。

 さっそく出ました。モンスター!



 野生のバジリスクが現れた!

 野生のブンブンが現れた!

 野生のカマキリンが現れた!

 野生のキノッコが現れた!



 あれあれ。四体も出ちゃったか。

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