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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
第五部 ようやく王都シルバースター! 十三章 花の都
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地下にも行ってみる



 お城と言えば地下。

 地下牢や、ぬけ道だ。

 地下には男のロマンが隠されている。

 光るツボが一番たくさん置かれてるのも、たいてい地下だし。


 ボイクド城の地下は迷路みたいに広かった。これは、なんかストーリーの進行によってはダンジョンにもなりそうなふんいきだ。

 万能のカギ(鉄格子)を持ってるんで、一個ずつ鉄格子をあけて、なかへ入ってはツボを割る。


「わ〜い。小さなコインだ。もうだいぶ、たまってきたよ。あっ、こっちのツボには力の種が」


 僕はつまみ食いで数値あげられるんで、種は使わずにミャーコポシェットに入れる。あとで、ぽよちゃんに食べさせよう。


 たまにモンスターが隠れてるから用心が必要だけど、ツボ割りは楽しい。


 ツボに隠れてるモンスターは、ツボカリンっていう、ツボを背負ったタコ足のスライムみたいなやつだ。ワンパンで倒せるくらい弱い。

 倒すと、まれに『へんなツボ』を落とす。これが使用方法のわからない謎のアイテムなんだよなぁ。まあ、いずれ何かの役に立つであろう。

 竜の岬で、コイツによく似たタコツボってモンスターがいたけど、あいつの親戚だろうか?


 かなり奥まで迷いこんだとき、急に見張りのついてるろうかがあった。見張りは兵隊じゃなく、黒いローブを着た魔法使いだ。


「これよりさきには、どなたも」

「入ることはまかりなりません」

 二人の魔法使いが交互に言う。


 しょうがないので、二人のすきまから奥をのぞいた。

 あるある。扉だ。

 シルキー城にあったのとよく似た大きくて、いかにも重大な秘密を隠してそうなやつ。

 これか。これが時間を超える人しか通れないっていう謎の扉だ。

 ゾクゾクするなぁ。


 でも、まだ今は行くべき場所じゃない。いずれ、そのうちに……なんだろうな。


「じゃ、見るもの見たし、行こうか」

「そげだね」


 くるっと一回転して、僕は地上に戻ろうとした。

 そのとき、僕は気づいた。

 牢屋のなかに誰かいる。


「あれっ? 囚人かな?」

「えっ? どこに?」

「ほら、あそこ——って、変だな。さっきは人が座ってたんだけど……」

「かーくん。オバケでも見たんじゃない?」

「ギャー。やめてよぉ。暗い場所でオバケとか言わないでよねぇ」


 それが身の毛もよだつ恐怖の始まりだと、僕はまだ気づいていなかった……なんちゃって。言ってみたかっただけぇ。

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