ワレスさん戦!3
やっぱり強いなぁ。
一番弱い魔法を一発くらっただけで、死にかけてしまうなんて。
プチなのに、ぜんぜんプチじゃないじゃん!
次の僕らのターンはもう回復一辺倒だ。たまりんが「みんな、元気になれ〜」を覚えてくれたんで、それを使いつつ、僕の元気になれと、アンドーくんの世界樹の枝先で、どうにかこうにか持ちなおす。ぽよちゃんには回避のために、はねさせておいた。
こっちから攻撃しかけても、僕の傭兵呼びで倒せないことがわかってしまったからね。それよりは最初の目標どおり、3ターン持ちこたえることを優先しよう。
さあ、2ターンめのワレスさんの攻撃だ。次は『ハリケ〜ンヽ(*´^`)ノ』だった。祈るような表情で両手をひろげたこの仕草は、ちょっと見てみたかったんだけど、やってくれない。自己流だ。
「ギャー! 効いたー!」
「あっ、かーくん。ぽよちゃんが!」
「ああッ、ぽよちゃんの装備は魔法ダメージ軽減してくれないもんね」
ぽよちゃんは目をまわして倒れてしまった。HPが僕やアンドーくんほど高くないからなぁ。
たまりんもHP低いけど、装備品で魔法から守られているので、瀕死ながら、かろうじて残った。でも、今回でギリだ。これより強いっていう次の魔法攻撃には耐えられない。
「うーん。次は僕らも危ないかも」
「一人でも残ればいいなら、わは隠れ身使うけど?」
「あッ。そうか。その手があったか」
「ただ、戦闘中の効果は移動中と違うけん。仲間までは隠せんよ。自分一人がターゲットにならんだけだわ」
「てことは、僕とたまりんは犠牲に……まあ、一人だけでも残れば全滅じゃないね。次が最後のターンだ。僕はワレスさんの行動回数を減らすために、もう一回、傭兵呼びをやってみる。運がよければ、倒せるかもだし」
という作戦で、そのように行動。
でも、結果は前回と同じ。
やっぱり、ワレスさんを失神させるまでにはいたらなかった。
「ダメか……」
でも、アンドーくんは隠れ身で姿を消した。これで、なんとかあと1ターン、やりすごせるか?
願いは虚しかった。
ワレスさんの目がキラリと光ると、なぜかアンドーくんの居場所がわかってしまったようだ。
そうだった。ミラーアイズは透視ができるんだったっけ。
「オーロラバースト。雷神の怒り!」
それは日本語なんだ!
二連続魔法が僕らを襲う。
目の前がオーロラととびかう雷で覆いつくされる。
気……失いましたね。うん。