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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
第五部 ようやく王都シルバースター! 十三章 花の都
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ワレスさん戦!1



 でも、まだまだステータスをじっくりと見る僕。しつこくって、すいません。


 現在のワレスさんの職業は聖騎士。

 職業スキルは、これまたアレコレいっぱいついてるんで、詳しくは書かないけど、軽鎧、重鎧、盾、かぶと、ローブ、剣、短剣、杖、楽器装備可能など、ほとんどの装備品を現在の職業に関係なく着用できる。


 MP吸収30%とかもあるな。

 これは、敵から受けた攻撃魔法に使用されたMP30%を吸収するという、痛ければ痛いほど嬉しいスキル。スズランも似たようなスキルを持ってたから、魔法使い系の職業をマスターすると持てるようだ。


 一つ、気になった。


「なんですか? この自己流詠唱可能って?」

「それは戦ってみればわかる」


 ごもっとも。


 あとは個人的な得意技だ。

 ミラーアイズ

 カリスマ

 古の血

 呪い持ち

 超絶美形


 あはは。僕の考えた設定どおりだ。

 得意技までカッコイイよ。

 僕の得意技、小銭拾い、つまみ食い、泣きマネ……いいもんねぇ。小説書けるから、いいもんねぇ。


「呪い持ちっていうのは?」

「おれの愛した人は、みんな死んでしまうんだよ」

「やっぱり!」


 すいませんね! 過酷な運命、背負わせました!


「やっぱりって、なんだ?」

「あっ、なんでもないです。すいません」

「ふうん?」


 あっ、そういう疑いの目で見ないでね。


「ちょっと仲間と作戦練ってもいいですか?」

「いいよ」


 どこまでも寛大だなぁ。

 この人、もしかして、ミラーアイズの特技で、こっちの数値が見えてるのかもしれない。


 ミラーアイズはワレスさんの最大の個性だ。本編シリーズのネタバレにつながるので、あんまり説明できないんだけど、彼は遺伝的に鏡のような特徴を持つ瞳を生まれつき有している。

 それは相手のかけてきた魔法をはねかえしたり、いわゆる透視のようなことができる目だ。このミラーアイズは時間軸を内包しているので、時間魔法もあやつれる。


 その特徴をこのゲーム世界にあてはめると、透視能力は相手のステータスを見やぶる力だろう。ぽよちゃんの聞き耳の感度のいいやつみたいな。

 さっき防御魔法と言ってたのは、たぶん、攻撃魔法をはねかえすシールドだ。これはホワイトドラゴンが使ってた魔法シールドと同じか、似たような技だ。

 ワレスさんの得意技レベルは全部ランク5まで到達してる。とすると、時間軸も使えるな。

 こっちの時間を止めたりするのかな?


 ああ……自分で考えたキャラとはいえ、敵にまわすと怪物じゃないか。

 勝てる気はまったくしない。

 せめて、ワレスさんが言ってたように、3ターン耐えることができるかどうかだ。それも難しい気がするけどね。


 僕は仲間と頭をつきあわせて、小声でささやきかわした。


「ワレスさんの素早さは、流星の腕輪をつけたロランを上まわってる。てことは、僕らの平均の五倍は速いから、五回連続攻撃してくる。へたすると六回。六連続で最強魔法使われたら、1ターンで全滅だね」

「レベルが30近く違うだもんね」

「うん。でも、なんとか一矢むくいたいよねぇ。だから、最初の1ターンが勝負だね。2ターンめはないよ。ワレスさんが手心をくわえてくれたら話は別だけど。みんな巻きや、はねるで素早さ上げても焼け石に水。六回攻撃を五回に減らせるていどかな。だから、こっちは最初のターンで全力攻撃するしかない。アンドーくん、現状で使える最強魔法は?」

「燃えつきろ〜が使ええようになったけんね」

「じゃあ、アンドーくんは燃えつきろね。僕とぽよちゃんは通常攻撃。たまりんは『呪ってやる〜』で。あれってたまに相手の動きを1ターン止めるよね。それに賭けるしかない」


 そのとき、僕は気づいた。


 あれ? アンドーくん、火属性最強魔法使えるようになったんだ?

 僕とアンドーくんって、同じときに転職して、同じ回数だけ戦ってるよね?

 もしや、もしや……?


 僕は自分のステータスを見なおした。

 そして、ニンマリ笑った。

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