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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
第五部 ようやく王都シルバースター! 十三章 花の都
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重要会議3



 悪のヤドリギはミルキー城にひそんでいる。少なくとも、ブラン王を傀儡かいらいにして、つながってる。


 だからと言って、ボイクド国の騎士たちが、なんの理由もなく隊をなしてミルキー城に乗りこんでいけば、それこそ侵略ととられかねないので、それもできない。

 表立っては別の名目で乗りこみ、ひそかにブラン王からヤドリギのカケラをとりのぞくしかない。

 できるなら、悪のヤドリギ本体の居所をつきとめ討伐する。


 そこまでの話しあいはできた。


「あの国を訪問するのによい弁明があるだろうか?」と、コーマ王が言うと、ガロー男爵が頭をひねった。

 あっ、この世界ではガロー男爵は侯爵で、大臣でもあるらしい。だから、ガロー大臣だね。


「ブラン王の前のココノエ王の時代なら、友好条約を結んでいたので、なんとでも言いわけは立ったのですがね。ブラン王になってから条約は破棄されてしまった。だからこそ、らんらん姫との婚儀がひじょうに大事だったのだが」


 ああ、蘭さん、ほんとは男の娘だったから。


「ロランがいれば、自分のお城に戻るだけだから、問題なかったんだけど」


 無意識に僕はつぶやいていた。

 みんなの目が僕を見る。


「勇者とはまだ再会していないのか?」と、ワレスさん。

「まだなんです。遅いですよねぇ」

「勇者を危険にさらすのは良策とは言えない。まだ弱いからな。もう少し育ってからでも……と思っていたが、どのていど育ったかな? それによりけりだ。充分に育っているようなら、おれのサポート付きでミルキー城に乗りこんでもいい」


 えっ? ワレスさんと旅?

 ワクワク。いっしょに戦いたいです、はい。


「あの、この国でロランを見つけて保護したことにすれば、ワレスさんたちの隊がついてきてもおかしくないですよね?」

「そうだな。しかし、肝心の勇者がいない」

「そうなんですよね。そろそろ着くころだと思うんですが。フィリンドって街で僕らに手紙を残したのが三日前なんです」


 ワレスさんは考えこんだ。


「おかしいな。フィリンドからなら、もう到着していていいはずだ。おれの部下を使いに出そう」

「ありがとうございます」


 会議は終わりだ。

 そのさきのことは、蘭さんが来てからじゃないと。


 蘭さんたちがやってくるまでのあいだ、お城や街の見物をしたいなぁ。

 そう思っていたときだ。

 ワレスさんが言った。


「ならば、勇者の代わりに、おまえの実力を見てやろう。兵士訓練所に来い」


 えっ? 僕ですか?

 はいはい。行きます。行きます。

 わ〜い。憧れの英雄に手あわせしてもらえるよ〜

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