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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
第五部 ようやく王都シルバースター! 十三章 花の都
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山びこ戦!2



 ハッと気がついたのは、数分後。

 アンドーくんと、たまりんが戦闘している。アンドーくんにもフェニックスの灰、わけてあったから、それを使ってくれたようだ。

 僕とぽよちゃんは意識をとりもどした。


「この人たちは、どげする?」

「ほっといて! また『賭けてみる?』使われたら、たまったもんじゃないよ」

「ラジャー」


 アンドーくんは、くすくす笑ってる。

 いやいや、僕だって、こんなバカらしい死にかたしたくなかったよ。

 やっぱり遊び人なんて信用できないな。

 こっちに補欠メンバーが残っててよかった。じゃないと、僕ら全滅あつかいになってたところだ。


「まだイベントで負けが決まってるとき以外では、全滅したことないんだからね。不敗伝説って称号も貰ってるんだよ。変なおっさんなんかに、この称号とりけしにされたくな〜い!」

「かーくん。災難だったねぇ」

「気をとりなおして、やろうか」

「そげだねぇ」


 というわけで、仕切りなおし。


 ぽよちゃんも一回、戦闘不能になったから、せっかくのはねるや、ためるの効果が消えてしまった。もう一回、はねてからの、ためる。


 アンドーくんは「みんな、巻きで行こう〜」


 僕は通常攻撃なんだけど、思いたって、山びこの足の下が見える場所まで、よこに走りぬけてみた。


 あッ! いる! やっぱり、足の下の三角の空間になんか倒れてる。

 僕はそれを確認するために近づいていった。

 小さい……動物かな? あっ、鹿だ。子鹿のバンビが倒れてる。足にケガしてるみたいだ。

 そっか。ケガしてて、線路の上から動けないんだ。


 だから山びこは、この場所にすわりこんでるんだ。

 バンビを守るために。

 きっと、同じ山の生き物だったから……。


 僕は子鹿を抱きあげるために近づいていった。

 すると——とつじょ、山びこがあばれだす。両腕をあげ、大きく左右にふりまわした。

 こ、これが“守る”か。

 僕は空中にはねあげられ、地面にたたきつけられた。

 痛い……けっこうな痛さだよ。


「山びこ。僕は子鹿を傷つけないよ。ちゃんとケガの手当てもしてやるし、自分で歩けるようになるまで、めんどう見るよ」


 話しかけるけど、反応はない。

 困ったなぁ。

 人間の言葉がわかってないのかな?

 それとも、人間のことを信用してないのか?

 僕に害意がないこと、どうやったらわかってもらえるんだろう?

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