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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
十二章 ノームとの出会い
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平原の王



 見渡すかぎりの花畑。

 ふみしだく蓮華れんげ

 そして、四つ葉のクローバーよろしく、あっちにもこっちにも顔をのぞかせている、僕の金貨たち。

 ふつうに十二、三万ずつ拾うよ。嬉しいなぁ。僕の所持金、一千万超えたんだぁ。これで得意技ランク2だなんて、これ以上ランクあがったら、いったいどうなってしまうんだろう?


 平原の旅はおだやかそのものだ。

 どうも、ここの出現モンスターはほとんどが、ぽよぽよらしい。なので、あのピョコピョコ合戦で、ぽよちゃんがすべてのぽよぽよを下してしまうのだ。


 ぽよちゃんは強い!

 ぽよちゃんは最高!

 ぽよぽよのなかのぽよぽよ。

 もはや、平原の王だ。


 どうもジャンプ力を競ってるらしい。どれだけ高く、素早く跳べるかによって優劣が決まる。


 なので、ぽよぽよと遭遇するたびに、ぽよちゃんがピョコピョコしてくれた。

 そのすきに、こっそり僕は“つまみ食い”するっていうね。姑息とでもなんとでも言ってほしい。

 僕はいただけるものは、なんだって貰うよ? 楽して強くなれるなんて、横着な僕にピッタリの特技じゃないか。

 つまみ食い、美味すぎる〜


 このまま、無傷で滝まで行けるだろうか?

 経験値がかせげないのは困るけど、つまみ食いはゆとりのある戦いでしかできないから、今のうちにたっぷりさせてもらおう。


 見よ! つまみ食いで上がった僕のステータス。

 レベル22にして、HP250『42』、MP185『23』、力75(82)『16』、体力70(77)『14』、知力111『1』、素早さ69『6』、器用さ95『3』、幸運99998。

 レベルアップ三回ぶんくらいは、つまみ食いした。


「なかなか川に出ないねぇ」

「川もだけど、バケモノが出てこらんねぇ」

「そうだね。退治はしないとね。長老と約束したし。そう言えば、レベル上げのための魔物呼びアイテム買ってたよね。あれ使ってみようか。失敗しても、このへんで出てくるのは、ぽよぽよだし。ぽよちゃんが追いはらってくれるから」

「キュイ、キュイ〜」


 僕がミャーコポシェットの背中のジッパーをあけようとすると、それより前に、プッとミャーコの口から、アイテムが一つ吐きだされてくる。魔物の草笛だ。


「えっ? ミャーコが出してくれたの?」


 ミャーコポシェットはゴロゴロ喉を鳴らした。ポシェットのミャーコ化が止まらない。

 じゃあ、ミャーコが出してくれたことだし、草笛、吹くか。


 草笛って地方によって、いろいろ吹きかたがあると思うんだけど、このアイテムは最初から丸めてあってストローみたいになってる。口にくわえて、息を吹きこむと、プペー、プペーとなさけない音がする。


 ん? 何やら遠くから、かけてくるものが。

 なんだろ? ぽよぽよかな?

 いや、違うぞ。

 ぽよぽよにしては大きすぎないか?


 シマシマのトラ猫みたいな獣が四つ足で、ハッハッとかけてくる。尻尾ふりきって楽しそう。

 体長は一メートル……二メートル……うーん、三メートルくらいは……。


「……どんどん大きくなる!」


 三メートルどころじゃない。体高だけでも五メートル。全長は尻尾もよせれば十八メートルはありそうだ。


「出たー! バケモノだ!」

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