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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
十二章 ノームとの出会い
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ノーム村を探索



 さらに歩きまわる。

 ノームたちにちょうどいいサイズ感で作られた村だから、コビットと化した僕らには村がやたらと、だだっ広い。

 ぽよちゃんは小さくされてなかったので、背中に乗せてもらって移動すると、ちょうどよかった。けっこう揺れるけど、らくちんだ。


 ノームの店に入ってみたけど、よく考えたら、本来の大きさに戻ったとき、商品はどっなってるんだろうか?

 ミャーコポシェットに入れておけば、僕らといっしょに大きくなるのか?

 それとも、四次元ポケットのなかまでは魔法が効かず、もともとの大きさのままなのか?

 いや、これまで装備品って、身につける人の体にあわせて伸びたり縮んだりした。ということは、ノーム用の武器でも、僕が持てば、僕サイズになるってことなんだろうか?


 とは言え、武器や防具はそれほど気になるものはなかった。廃墟の亡霊店主から高品質のものを買ったからだ。呪いつきだけどね。


 ゆいいつ、精霊石屋というのがあって、そこで僕は精霊石を爆買いしてしまった。精霊石は人間の街では決して売っていないだろう。


「ねえ、おじさん。こっちの石にはなんの魔法が入ってるの? みんな凍りつけ? ちょうだい。こっちは? みんな、死なないでェー? ちょうだい。これは? ちょっとずつ元気? 何それ。聞いたことないけど、ちょうだい。これは? えっ? しつこい? もう、このへん全部、まとめてちょうだい。お金ならあるんだよね。へっへっへ」


 大金を拾いまくる特権をいやらしく行使する。ふひひ。


「お客さんさぼ。そんなに買っても、装備品にあわせて形を整えてもらわないと、そのままじゃ使えないさぼ」

「あっ、そうか」

「人間には精霊石を細工できる者はいないさぼ。グバディに頼むといいさぼ」

「村一番の腕のいい細工師か」

「グバディはすごいさぼ。天才さぼ」


 グバディの家を教えてもらって訪問した。村外れのかしの大木の近くに、その家はあった。

 グバディは見たところ、冴えないおじさんだった。コビットっぽい丸っこい顔で、ノームにしては小さい。いつも鼻歌を口ずさんでいる。


「じゃあ、グバディさん。この剣にあわせて、この精霊石を加工してもらってもいいですか?」

「あははー。いいだば。やるだば。だけんど、一年はかかるだば」

「えっ? 一年?」

「イヤだばか?」

「イヤじゃないけど、それまでこの村で待ってるわけにはいかないんで」

「一年後にまた来るだば。それまでには仕上げておくだば。あははー」


 ほんとに天才なのか?

 このちっこいおじさん。


 しょうがないので、僕は精霊石を三個、グバディに預けた。お代は前払いだ。

 これで次にこの村にやってきたときの楽しみが、また一つ増えたぞ。

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