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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
十二章 ノームとの出会い
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ノームの村



「コッピピ、コピー」


 しょうがないので、僕らは手招きするノームについていった。


 まさかノームもコビット語を話すとは思わなかったけど、これは小人族共通の言語なのかもしれないな。バランは日本語、話してたけど……。


 森のなかは小銭が拾えるから、モンスターの出現地帯ではあるようだ。

 ただ、今はノームがついているせいか、モンスターには出会わなかった。疲れきってたので、ありがたい。


 あたりの景色は光に満ち、金色のベールをまとっているようで、とても美しい。透きとおった風にさえ、陽光のさざめくような色が染まって見えた。


 こういうふんいきは覚えがある。

 虹の谷だ。

 コビット族たちの村のあった、あの渓谷の風景に似ている。

 コビットやノームのような妖精チックなものが好むのは、こういう場所なのかな?


「ココクピ。ノームファー。コピコピクピコ」


 ん? ここがノームの村だよって言った? なんか、そんな気がした。だんだん、コビット語が話せるようになってきてる?


 それはいいんだけど、茂みをかきわけて入っていったノームたちの村は、やっぱり小さかった。コビット村ほどじゃないけど、少し大きめのドールハウスだ。


 可愛いキレイな村だった。

 コビットの村はもっと自然に近い造りの家だった。ツリーハウスみたいな。家の前にキノコが飾ってあったりして。

 でも、ノームの村の家屋は、サイズが四分の一ではあるけれど、人間の街のそれに近い。中世なんちゃってネズミランド風のレンガや飾り格子の窓の街並み。軒先きにいろんな看板が出ていて、どの看板にも宝石がキラキラしていた。


「可愛いなぁ。でも、僕ら家のなかには入れないね。茶室のにじり口より玄関、小さい」


 僕らが巨人だから、しかたないんだけどねぇ。ドールハウスのなかも見物してみたかった。


 すると、だ。

 ピョコンとかけよってきたクピピコが、僕の足の指をコビット王の剣で、チョンと突いた。

 イッターイ! ちっこいけど、注射針ていどには痛いよ。


「あッ! か、かーくん?」

「わあッ、兄ちゃん!」


 な、なんだ?

 叫ぶアンドーくんやナッツの姿が、どんどん、どんどん大きくなっていく。

 どうなってるんだ?

 そんなに大きいと怖いんだけど?

 ああ、もう片足でふみつぶされそう。

 いったい僕に何が起こった?

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