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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
十二章 ノームとの出会い
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魔法で帰れません



「ええー! 地図にないって、そんなバカな? 前に見たとき、ちゃんと赤い点がピコピコしてたよ?」

「ピコピコ? コピピコピ?」

「あっ、ごめん。コビット語じゃないよ」


 魔法の地図をとりだしてみた。

 たしかに赤い点はピコピコしてる。

 でも、前に廃墟のなかで見たときから、いっこうに動いてる気配がない。いくらなんでも五キロは歩いたんだから、少しは反応してもいいはずだ。


「これって、ほんとにこの場所なんじゃなくて、地図上に表せないってだけなんだ。だから、初期位置からカーソルが動かないんだ」


 うーん。ガッカリ。

 これじゃ現在地がどこだかわからない。


「せっかく脱出してきたのに、この場所が特定できないんじゃ、ギルドに帰っても、いい報告ができない」

「しょうがないが。キャラバンのことだけでも報告さんと」

「う、うん。そうだね。やつらが人間をさらってモンスターに変えてるってこと伝えないとね」


 それにしても、そのためにはまずギルドのある場所まで帰らないといけない。どうも、このへんにはギルドはなさそうだ。人間の街か村があるだろうか?


「そうだ! クピピコ。ここがこの地図のどのへんか、ノームに聞いてみてくれる?」

「クピ?」

「クピって言われてもよくわからないけど、ごめん。お願い」

「コピコピクピコピコー」


 意味はわからなかったけど、なんとなくバカにされたような気はした。

 しかしまあ、クピピコがノームに話を聞いてくれた。

 このあとコビット語の会話が続きますよー。


「ピコッピ。コピピラー?」

「ピコッピ。ココピコ」

「ココピコ?」

「クピ。コピクピ、ピコピコ、ピー」

 ——中略——

「クピクピ。ピコッピ。コンピッコ、ピラピコクピ」

「クピ! クピ!」


 もういいだろうか?

 きっとこの会話を理解できた人は誰もいないと思う。


 クピピコは僕に向きなおると、地図を指さして首をふった。コピコピ言ってるけど、仕草から察すると、この地図には載ってないということらしい。

 やっぱりそうなんだ。

 テロップは正しかったか。


 アンドーくんが考えこんだ。


「かーくん。諜報活動しとったときに聞いたことがああけど、もしかしたら、ここ、封印された大地かもしれんね」

「封印された大地?」

「この世のどこかには封印された大地が何ヶ所かあって、そこへの出入りは特別な扉を通らんとできんらしいよ」


 ん? 扉?

 僕はシルキー城の地下深くにあった扉を思いだした。

 それに旅人のウワサでも何度か扉の話を聞いた。


 ここって、その扉のなかなのか?

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