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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
十二章 ノームとの出会い
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地下で出会ったのは



「コピコピ。クピコピコ」

「クピピコ。ピコピコピー」

「コピ。クピピコ。クピ」

「コピピ? ピッピコピー」


 うーん。なんでこんなことになってしまったんだろう?

 僕は目の前でやりとりされる、小人とクピピコの会話を聞きながら頭をかかえる。わからない。会話の内容がまったく、わからない。


 とは言え、こっちにクピピコがいてくれたのは、ほんとにラッキーだった。

 じゃないと、僕らはこの暗闇のなかから永遠に出られなかった。


 坑道にいたのは、どうやらノームだ。

 コビット族やイバラの騎士よりは大きいが、それでも僕のひざくらいまでしか身長がない。頭に三角帽子をかぶり、ツルハシをにぎっていた。かたわらにカンテラも置いてあった。


 ノームもモンスターの一種ではあるんだろうけど、どっちかっていうと精霊に近い。地下鉱脈に詳しい地の精だ。白雪姫を助けた小人たちは、このノームだったって話だ。比較的おとなしい性質の精霊である。


 まあ、それでも僕らだけなら警戒させたんだろうけど、クピピコがそこのところ、しっかり説明してくれたようだ。僕らが火事からコビット族の村を救ったこととか。悪いモンスターからコビットの女の子を助けたこととか。


 何を話してるのかはサッパリわからないものの、ノームはうなずいて手招きした。

 よ、よかった。これで外に出られる。


 細い坑道を出たあと、あの地下水脈ぞいに僕らは歩いていった。

 光だ! 光が見える!

 前方に丸い光が見えた。

 日光だ。お日さまの光だ。


 僕らはようやく地上に戻ってきた。

 長かったなぁ。地下水道。もう地下は一生ぶん歩いた。


 洞くつをぬけると、やわらかい陽光がさしていた。あたりは森だ。春の萌黄もえぎが目にしみる。花の香りがした。


 ふりかえると、木々のあいだに遠く、あの廃墟が見えていた。断崖絶壁の上に禍々しい姿を見せている。

 あそこから逃げだしてきたんだと思うと感慨深い。


「外だ! これで旅人の帽子を使って飛んで帰れます。案内、ありがとう。助かりました!」


 僕はお礼を言って、旅人の帽子を手にとった。装備魔法を使おうとしたんだけど、頭上からブーッとエラー音が降ってくる。


「えっ? 何?」



 現在地は地図にない地域です。

 移動魔法が使えません。

 と、テロップが教えてくれた。


 ええー! ここまで来て、まだ帰れないの? ウンザリぃー。

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