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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
十一章 研究室の秘密
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つまみ食い連発!



 MPを使いすぎても戦闘にさしさわるので、防具などの呪い解きはあとまわしにして再出発だ。


 でも、これでパーティーのうち三人が回復魔法を使えるようになったし、攻撃力が底上げされて、バトルは比較にならないほど楽になった。

 とくにアンドーくんの世界樹の枝先はいいよね。MPを使わずして、戦闘のたびにHP回復できる。

 これに似た武器、あのゲームにもあったよなぁ。シリーズの7だったかな? 僕は毎回、戦闘のたびに必ずソレを使って、メンバーをつねに無傷で保ち、MPを節約したもんだ。ケチくさい戦いをする男、かーくん。


 おっと回想にふけってる場合じゃない。

 またまたブッキーが出てきた。


「僕、つまみ食いするから、みんなで倒して」

「わかった」


 ふふふ。この調子でさっきから、せっせとつまみ食いにいそしむ僕だった。もう十回はチューチューしたよ。

 今の僕らならブッキーは一撃で倒せるし、三体ずつで出てくるからお供がいなければ、確実に一ターンでしとめられるのも利点だ。


 チューチューした僕の数値は、これだ。

 HP220『12』、MP170『8』、力60(66)『1』、体力58(63)『2』、知力110、素早さ65『2』、器用さ92、幸運99998。

 レベルは22のまま。なのに、数値は合計20も水増しされてる。


 こうして見ると、ステータスの増加にはちょっとした癖があるね。

 ゼロのつくキリのいい数字や、ゾロ目、または下ひとけたが5のつく数字におさまることが多い。そして、つまみ食いはHP、MP、数値の低いステータスで発動しやすい。いっそのこと幸運が上がって、マックスまで振りきってほしいんだけど、そうは行かないか。


 それにしても、おいしすぎるこの技。

 僕は有頂天なんだけど、ナッツのようすがおかしい。うしろをしきりに気にしてる。


「どうしたの? ナッツ」

「なんか、ついてくる気がするんだよ。兄ちゃんたち、気づかない?」

「這いよるヘドロじゃない? あいつ、背後から急に近よってきて、先制攻撃しかけてくるヤツだから」

「うーん。そんなんじゃない……気がするんだけどな」


 蘭さんの危険察知があったらわかったんだろうけど、残念ながら、今の僕らにはそれはできない。


 闇をふりかえっても何も見えない。

 ところがだ。

 とつぜん、僕らの目の前を光がよぎった。

 小さな光の玉が暗闇に尾をひいて消えていった。

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