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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
十一章 研究室の秘密
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精霊王の剣(レプリカ)の威力



「ヤッター! 装備品の呪いが解ける!」

「えっ? かーくん。魔法、おぼえたで?」

「うん。解呪魔法が使えるようになってる。やっと20万も払った武器が装備できるよ」


 もう一も二もなく、僕は魔法を使った。これについてる顔文字が少し微妙なんだけど、無心で呪いをポイッとする感じかな?

 何度かイメトレしてみたあと、僕は呪文を詠唱した。


「呪いよ、消えされ〜」


 精霊王のレプリカが、パアッと明るく輝く。まとわりついていた黒いもやみたいなものが、きれいに消えた。


 あらためて見ると、すごい剣だ。

 レプリカとは言え、最強クラスの攻撃力を誇るだけある。刀身の輝きが違う。破魔の剣だって、そこそこ強い、いい剣なんだけど、なんていうか、まとっているオーラがもう雲泥の差。

 しかも、これ、細身で軽いんだよね。両刃の騎士剣じゃなく、日本刀に近い。


「これでやっと破魔の剣から卒業だぁー。破魔の剣でも、まだ鋼鉄シリーズにくらべたら、ぜんぜん強いんだけどさ」


 破魔の剣は三村くんに持たせよう。今度、会えたら……いつ会えるのかなぁ? 三村くん。蘭さん。


 まあ、それはそれだ。

 僕は破魔の剣をミャーコポシェットにしまった。かわりにレプリカに付属の精霊石セットをとりだす。

 ああ、楽しいなぁ。

 どの石をつけようかなぁ?

 僕のチートスキルで手に入れた宝石ちゃんたち。


「たぶん、石の色が魔法の属性なんだよね? 赤が火属性かなぁ。火属性なら攻撃魔法が中心だよね。最初は無難に火属性で試してみよう」


 精霊王のレプリカ剣の台座に、緋色の石をはめこむ。カチリとしっかり固定された。

 にぎりしめるだけで剣の持つ力が腕に伝わってくる。名刀だ。いい買い物したなぁ。


 ほかにもすぐに装備できる武器や防具がないかなぁ?


「あっ、たまりんが小悪魔のハープを装備できる。小悪魔のハープは通常攻撃ができるんだね。攻撃力が30か。付与効果が通常攻撃時に魅了30%の確率と、二ターンごとに“小悪魔のワルツ”発動。ボス戦ではHP回復してくれる海鳴りのハープのほうがいいんだけど、ふだんのザコ戦には、こっちのほうが使えるね」


 僕はまた無心になって、「呪いよ、消えされ〜」と念じる。

 一回唱えるのにMP10も使うから、あんまり多用はできないんだけど。


「はい。たまりん。こっち装備して、海鳴りのハープ、自分で持っておける? ムリなら僕が預かるけど」


 たまりんは自分のお腹に海鳴りのハープを押しこんだ。入るんだ……。


 世界樹の枝先はプリーストや魔法使いが装備できる杖だった。これはアンドーくんに持たせる。回復魔法の効果50%アップという優秀な杖なんだけど、アンドーくん、魔法使いだからなぁ。

 ただ、装備品魔法として、『もっと元気になれ〜』と同じ効果がついてたので、実質、誰でも回復魔法が使えるようになる優れた武器だ。


 シルバーナイフは攻撃力60。中盤でこの数値なら、かなり高い。効果はアンデッド系に1.2倍のダメージだ。現在地の下水道ではうってつけの効果なので、ナッツに装備させる。


 パーティー全員の攻撃力が格段に上がった。ぽよちゃんは変わらないけど、すでに強い。


 ——と、僕のミャーコポシェットのなかをのぞきこんでいたクピピコが、何やら訴える目で僕を見つめた。


「クピっ。コピコピ、コビットコン、ピコー」


 コビット語……世界一難解な言語。

 しょうがないので、クピピコがのぞいていたポシェットのなかをたしかめる。


「あっ? これ?」


 そうだった。そうだった。

 あの亡霊店主から、コビット王の剣っていうのも買ってたんだっけな。


「待ってね。呪いとくから」

「クピっ!」


 あっ、嬉しそうだ。

 コビット語も話せるようになるといいなぁ。

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