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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
十一章 研究室の秘密
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みんなゾンビー!



 気がついたとき、僕のまわりはゾンビだらけになっていた。

 アンドーくんがゾンビに!

 ぽ、ぽよちゃんも!

 たまりん……は、もともと人魂か。

 ナッツまで腐った死体になって、こっちに迫ってくる。

 うわっ。手がもげそう。足も糸ひいてるよ。目玉がはみだしてるぅー!

 ギャー! オバケー! こっち来るなぁーッ!


「ギャー! ギャー! ギャー!」

「か、かーくん……?」

「キュイ……?」

 ゆら〜り。


「く、来るなってば! ヤダー! ヤダー! オバケー!」


 僕は逃げだそうとするけど、なぜかその場から動けない。

 むっ? もしや、これは待機行動か?

 なんで? まだ僕、攻撃してなかったんだけど。


「かーくん。かーくん。どげしたで?」

「おーい。兄ちゃん」

「キュイ、キュイ……?」

 ヒュードロ……。


 う、うう……みんながゾンビになってしまった。

 いつのまにか、みんな、やられてしまったのか?

 すてられた死体、いったい、みんなに何をしたんだ?


 ま、まさか、ゾンビって感染うつるのかな?

 某有名映画みたいに?

 ウィルスで?


 ど、どうしよう。怖いよ。

 助けてー! 猛ぅー。

 あっ、猛は裏切りのユダなんだっけ。

 じゃあ、誰も僕を助けてくれないのか?

 ぼ、僕が戦わないといけないのか?

 やるしかないのか……。

 ブーメランだ!

 こういうときは全体攻撃できるブーメランが最適だ!


「わあっ、わあっ! オバケめー! 成敗っ!」

「うわぁっ! かーくん。やめてごしなはい」

「兄ちゃん、何してんだよ! おれたち殺す気かッ?」

「キュイー! キュイー!」


 ゾンビたちがあわてふためいた。

 さあ、ブーメランをなげるぞ。

 僕のクリティカル、いでよ!


「——かーくん! ごめん!」


 急に僕はお腹に衝撃を受けた。

 アンドーゾンビが短剣さやついたままだけどで、僕のみぞおちを突き刺してきた。

 トドメ発動ォー!

 僕は気を失った。



 チャラララッチャッチャー!


 ん? 目がさめると、目の前にアンドーくんが立っている。ぽよちゃんやたまりんも心配そうにのぞきこんでる。


「かーくん? 大丈夫だ?」

「あれ? アンドーくん?」


 アンドーくんは……えっと、ゾンビじゃない。ほっとした表情で吐息をついた。僕も、ほっとした。


「よかった。かーくんがもとに戻った」

「ええっ? 僕はずっと、ふつうだったよ? みんなが急にゾンビになったんだよ?」

「わやつは誰もゾンビになんかなっちょらんよ。それ、たぶん、幻覚だない?」

「幻覚?」

「うん。幻覚。ゾンビのくさい息にやられえと、幻覚になぁが?」

「ええっ? じゃあ、あれ、幻覚だったの? でも、まだ僕の攻撃だったよね? ゾンビのターンじゃなかったんだけど」

「それ、のっとるっていう技だと思うわ。相手の攻撃のときに、順番をのっとって、自分の番にしてしまぁみたい」


 うーん。ゾンビ、あなどれない。

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