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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
十一章 研究室の秘密
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地下水道



 竜兵士が向かったのは地下だ。

 ただし、牢屋のあったのとは違う場所。

 一階と二階をつなぐ階段のある、あのプチホールの奥に、地下へ続く隠し階段があった。竜兵士が彫像の一つをさわると、スイッチになっていて、ガタンと壁の一部がスライドした。


 こんなとこがあったなんて。うまく隠されてて、ぜんぜん気づかなかったなぁ。


 僕らは隠し扉が閉まる前に大急ぎで、竜兵士のあとについていく。ぽよちゃんには僕らが見えるらしくって、おとなしく竜兵士に抱っこされていた。

 ちなみに、僕らっていうのは、僕、アンドーくん、たまりん、ナッツだ。


 隠し扉に入っていくと、地下への階段があり、その下には地下水道が通っていた。水道っていうか、下水道だよね。お城で使う下水や、しみだす地下水などが一メートル幅の溝のなかを流れている。その片側または両側に、人間が一列で歩いていけるほどの敷石された側道があった。


 竜兵士はそこで止まると、ぽよちゃんを側道におろす。


「ほれ。行っちまえ。運がよければ外に出られるだろうよ」


 ケケケと笑って階段をあがっていく。

 やっぱり外に通じてるんだ。

 竜兵士の足音が遠ざかり、ガタンと一階の壁が閉まったらしき音がする。


 僕は安心して、ぽよちゃんを抱きしめた。


「ぽよちゃ〜ん。身代わり、ありがとう。助かったよぉ」

「キュイ〜」


 朝が近いのか、ぽよちゃんは元気いっぱいだ。ようやく主戦力が復活した。

 ナッツはNPCだから、僕ら四人のパーティーとゲストのナッツで戦うことができる。


「じゃあ、外へ通じる出入り口を探そう。くずれた穴とかかもしれないけど、出られるとは思うんだ」


 なぜなら、地下水道はダンジョンになっていたから。ちゃんと小銭が落ちている。つまり、僕らはストーリーを正しく進んでいる。


 地下牢に入れられてた人たちも、きっといつか救いだそう。モンスターにされても戦闘で気絶させたら人間に戻った。必ず助けることができる。


 そんなことを考えながら、歩きはじめたときだった。また上のほうで、ガタンと音がした。隠し扉がひらく音だ。


「ほら、歩け! おまえはもう用なしだとよ」


 僕ら以外にも誰かがつれてこられたのか? 激しく気になる。


 僕らは階段のところまでひきかえしていった。でも、袋小路がいっぱいあるせいだろうか?

 僕らが戻ったときには、そこには誰の姿もなかった。

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