表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
十一章 研究室の秘密
145/377

ゴーレム戦!2



 たまりんの回復魔法。

 ナッツの顔色が戻る。

 すると、ナッツは短剣を逆手ににぎってヤツらに向かっていった。


「ナッツ! 帰ってくるんだ。ゴーレムの攻撃をかわさないと!」


 正直、ナッツの攻撃にはあまり期待していない。せめて身を守る行動をとってダメージを受けないようにしてくれれば、僕の攻撃、たまりんの回復で戦闘を続けられるんだけど。


 言わんこっちゃない。

 ナッツの短剣はゴーレムのお腹に、ちょびっと先端だけ食いこんで、小さな穴を石の体に作ったにすぎない。


 ゴーレムが腕をふりあげる。

 また、あの攻撃が来る。


 僕は思わず走っていた。

 ナッツの体を抱きあげ、ゴーレムのフルスイングアームから遠ざけようとした。だけど、一瞬遅く、二人とも石の剛腕に張りたおされてしまう。


 意識が遠くなっていく。

 ああ、もう終わりか。

 ここまでか。


 ん? いや、なんで?

 体が勝手に動くぞ?

 あっ、そうか! たまりんの憑依だ。

 たまりんが僕のなかに入って、体をあやつってるんだ。


 僕がブーメランをなげる。

 正確に記すなら、たまりんにあやつられた“僕”がブーメランをなげるのを、僕は朦朧もうろうとしながらながめた。


 バッキーンッ!

 と、ものすごい音がして、ゴーレムの胸が半分くらい、くだけ落ちた。

 グレート所長も「ブッヒーッ!」と悲鳴をあげて床に倒れる。見ると、目をまわしている。


 ……勝った?

 もしかして、勝ったのか?

 ボスにしては意外とHP少ないモンスターだったんだな。よかった。


 BGMが戦闘音楽じゃなくなったから、たしかに僕ら勝利したんだと思う。

 しかし、そこから続いてイベントが始まってしまった。

 一定量のダメージを敵に与えると、いやおうなく決められた勝敗になってしまう戦いだったようだ。


 戦闘に勝ったので、憑依がとけて僕の体から、たまりんが出てきたときだ。

 グレート所長が目をさまし、まだ失神してる僕をわしづかみにした。

 失神してるのに見えてるのは、なんでだろ? 夢か? そうか。夢だからなんだな?


「ブッヒッヒ……こうなれば、コイツも魔物に変えてくれるわ。ゴーレム! おまえはそのガキをやっつけてしまえ! えーい、この火の玉め。ジャマするな! 変身ビーム!」


 なんじゃそりゃ?

 変身ビームって、そんなん使えるなら、機械に入れる意味あんの?


 意味はあった。

 たぶん、所長の使う変身ビームは戦闘魔法の一種で、戦闘中の数ターンだけ、相手の姿を変える効果だ。

 機械に入れて古代魔法にかけたときほど長期間に渡って、魔法の効果が持続しない。


 なんでそれを知ったかというと、変身ビームをかけられたたまりんの姿が、数分間だけ変化したからだ。

 青白い火の玉から、目の覚めるような美少女へ——

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ