いろいろ買いこんで
僕の“小説を書く”はやっぱりチートだなぁ。なんでもできちゃうぞ。
満足がいったところで、あらためてお品書きを見る。
呪いつきではあるものの、ほかにも気になる商品があった。
武器では、薔薇水晶の杖とか、小悪魔のハープとか、騎士長の長槍とか、コビット王の剣とか。ん? コビットにも王様いるのか。世界樹の枝先とか。シルバーナイフとか。
防具は竜鱗シリーズってのがあって、竜のウロコを原料にしたよろいや盾、かぶとなどだ。アンドーくんが着てる軽鎧の系統のようだ。
装飾品にも、天使の羽飾りとか、人魚の瞳とか、月光の結晶とか、何個か気になるものがある。
数値のよさそうなものをあれこれ見つくろって、合計でこれまた二十万以上を使う。
「いいですか? 呪いつきの装備品は、呪いをとくまで装備しちゃいけませんよ? 外せなくなるので。呪いの装備をつけていると、戦闘中に動けなくなったり、MPが減ったり、急に失神したり、ちょいちょいイヤなめにあいますよ」
じゃあ、ちゃんと呪い解いてから売ってほしい……。
僕はウッカリ装備してしまわないよう、買いこんだ商品を全部、ミャーコの背中に押しこんだ。
早く精霊王の剣が使えるようになりたいなぁ。
僕が呪いをとく呪文をおぼえればいいんだよな。商人がおぼえる。
「じゃあ、休憩させてください」
「はいよ。六人で三千円ですね」
「えっ? 僕ら四人だけど」
「人間成人二人、子ども一人、ぽよぽよ、火の玉、コビットで六人だ」
「えっ? ぽよちゃんはポシェットに入ってるし、コビットは戦闘員じゃないんだけど?」
「カァーッ! ビタ一文まけません!」
い、いいんだけどね。三千円くらい。
一休みすると、HPとMPが全回復した。
「それじゃ、僕らはこれで」
「ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております」
幽霊店主とわかれて、僕らは四階へむかう。
あッ、忘れてた。店主の名前、聞いとけばよかったな。
あんだけ強烈な個性だ。またいつか出会うような気がする。