表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
第四部 囚われのかーくん 十章 悪夢の廃墟
135/377

赤、青、黄色の意味



「アンドーくん。コイツら、わりと簡単に倒せるから、MPは温存しとくほうがいいよ」

「わかった」


 アンドーくんは短剣で赤い本のまんなかを突く。本に刃の形の穴があいた。だけど、トドメは発動しなかった。残念。まだ倒れてない。


 次は僕のブーメランね。

 幸運度がバグのままなら、ブーメランの攻撃力はさほどじゃないんだけど、小説を書くのおかげで、クリティカル率がめっちゃ上がったからなぁ。

 ブンとハガネが風を切ると、黄色い本が半分にちぎれて床に落ちた。

 赤い本はヒラリ。

 青い本には当たったけど、通常ダメージだ。ふらふらしてるものの、落ちない。


 たまりんがハープを弾いて、ナッツの攻撃で穴のあいた赤い本が倒れる。


 一体、残っちゃったな。

 まあ、たいした攻撃してこないだろうけど——という僕の予想はくつがえされた。


 青い本はいきなり氷属性最強魔法『凍りつけ〜』を放ってきたのだ。


「ギャーッ! 痛い。冷たい。凍る!  凍るよッ!」


 みんなが即死魔法を浴びないように、僕が前面に立ってたから、ターゲットは僕。

 さ、寒い。凍えてしまう……。

 血の気がいっきにひいて、僕はめまいでクラクラになってしまった。HPが瀕死ひんしにまで下がってる。


「うう……血を……血を返してくれェ……」


 あっ、血じゃないか。

 どっちかっていうと体温ね。

 でも、そのときは前にコウモリ男に血を吸われたときの感覚におちいった。

 青い本にストローをさして、チューチュー、チューチューチューと血を吸いとる妄想をする。

 すると、不思議なんだよね。なんでか少し体温が戻ってきたような気がした。


 あれ? 変だな。

 僕のステータス。最大HPが上がってないか? レベルアップしたわけでもないのに、3ほど増えてる気がするんだけど?

 クラクラしてるので、そのときは幻覚だと思った。


 次のターン、たまりんがゆらりと揺れると、僕のHPはモリモリ復活した。


「な、治った! そうか。たまりん、僧侶だったもんね。ありがとう。助かった」


 ゆらゆら、ゆら〜り。

 嬉しそうな人魂もわりと可愛いもんだね。


 アンドーくんの通常攻撃で、青い本は倒れた。

 基本の勝利報酬のほかに、宝箱が一個。“赤い魔法”というカードみたいなものが出てきた。カードの表面に『もっと燃えろ〜(^_^*)』と書かれている。


「ああっ、わかったよ。赤い魔法が火の攻撃魔法。青い本は氷属性の呪文を唱えた。ってことは、アイツら、色によって属性が違うんだ。赤い本は火、青い本は氷、黄色い本は風属性とかかな? だから、属性にあった攻撃魔法じゃないと効かないんだ」

「なるほどねぇ。そうでだったかぁ」


 やっとコツがわかった。

 そのあともたくさんブッキーが出現したけど、今度は楽に倒すことができた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ