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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
九章 サンディアナを守れ!
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密室に忍びこむには?



 困った状態だ。

 現状を整理してみよう。

 家のなかにはトーマスが一人で捕まっていて、見張りはいないけど、予断をゆるさない。すぐにもホワイトドラゴンのウロコで治療しないと命が危険。


 そして、同じ屋根の下にはとんでもなく強い魔王城のボスクラスの敵、ゴードンがいる。アイツと今、戦うことはできない。全滅することが目に見えている。僕らが全滅したんじゃ、結果的にトーマスも助からないしな。


 そうなると、なかにいるゴードンに気づかれないように、こっそり家のなかに侵入して、トーマスをつれださないといけない。


 さて、どうしようか?

 窓にはカギがかかってる。

 玄関側はゴードンがいる。

 裏口もたしかめてみたけど、やっぱり、なかからカギがかかっていた。モンスターのくせに戸締まりがしっかりしてるなぁ。


「うーん。窓ガラスを割ったんじゃ音がするしな。ゴードンがかけつけてきてしまう」


 アンドーくん一人なら、もしかして隠れ身で相手に気づかれずに、なかへ入れるんだろうか?

 でも、さすがにゴードンのいる玄関口から侵入してくれとは言えない。万一にも見つかったら殺されてしまう。


 僕が頭をかかえていると、ぽよちゃんの背中からちっちゃい声が聞こえた。


「クピクピ。クピピコ、コピコピピコー」


 ぽよちゃんの首に巻いた風切るバンダナを手綱たづながわりににぎったクピピコだ。コビット語はわからないけど、クピピコがどうとか言ってることだけはわかった。


「ん? 何?」

「クピピコ、コピコピピコー」


 もしかして、クピピコが忍びこむよと言ってるんだろうか?


「クピピコが行ってくれるの?」


 うんうんと、クピピコはうなずいた。

 自分のベルトから針みたいな剣をぬいて、なにやら天にかかげている。

 この剣にかけて、とかなんとか言ってるのかな?


 そういえば、初めにコビットたちと戦ったとき、戦闘報酬でコビットの剣を手に入れたけど、使わないから戦士の手に戻してやったんだよな。


「そうか。剣を返してあげたお礼に、今度は自分が役立つよと言ってるんだね?」

「コピ〜」


 あっ、ちょっとコビット語わかった。


「コピクピ。ピピコクピ」


 あっ、やっぱりわからない。


 でも、なんか窓のカギを指さしてるぞ。窓の上部の飾り格子の部分も。

 ん? この飾り格子の部分、一ヶ所ガラスがぬけおちてる。

 なるほど。ここからなかへ侵入して、窓のカギをあけるつもりなんだ。


「わかったよ。クピピコにたのむ。カギさえあければ、なかへ侵入できる」


 クピピコは小さな手で、ドンと胸をたたいた。

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