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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
九章 サンディアナを守れ!
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いよいよ、トーマスの家へ



 これで二階からモンスターはいなくなった。あとは一階だ。


「ありがとう。少年。君の活躍はギルド貢献度2000ポイントだ。それに、ろうかで失神してる人たちを見つけて救助したことになる。おそらく、プラス3000ポイントは加算されるだろう。飛び級でランクA昇格だな」

「ほんとですか? ヤッター!」


 少年じゃないけど、このさい、そこは無視でいい。


「じゃあ、僕らは知りあいを助けに行きます」

「うん。気をつけてな」

「ありがとうございました。かーくんさん」

「二階はシャッターおろすからさ。あたしたちは一階にいるソウレたちと合流するよ。そしたら、ギルドはあたしたちで守れる。ほかにも来てくれた冒険者がいるみたいだしね」


 仕事斡旋所のおじさん、フラウさん、ルベッカさんとそれぞれと握手して、僕らはギルドをあとにした。


「やっぱり、ギルドはいざってときのために戦える人を雇ってるんだね」

「用心棒をかねとうだね」


 ギルドには近所の人たちも逃げこんでいく。なかには戦えそうな人もいるから、よっぽど強いモンスターでも現れないかぎりはもう心配ない。


 広場にもたくさんモンスターが闊歩かっぽしている。全部倒したいけど、ただウロついてるだけのヤツらを相手してたらキリがない。

 僕らは先を急いだ。


 ギルドの裏通りに入り、まじわる三本めの小路。その角っこにあるトーマスの家。


 そこまで来て、僕は凍りついた。

 家のなかに、ゴードンがいる!

 居間のソファーに座って、ふんぞりかえっている。ほかにも手下のモンスターがウロウロしていた。


「な、なんで?」

「……かーくん。ロランは勇者だが?」

「うん」

「トーマスはロランの両親のお城の兵士だけん。ロランが助けに来うと思っちょうだない?」


 な、なるほど。そういうことか。

 つまり、トーマスを盾にとって、ロランを捕まえる作戦なんだ。

 窓の外から見たかぎりでは、家のなかに人の姿はない。モンスターだけだ。でも、ここからはトーマスの寝室は見えないしな。


 そう思って、かどをまがった。

 トーマスの寝室が見える場所まで移動した。

 すると、そこにトーマスのお母さんがいた。裏口の近くの防火水槽のかげに隠れている。


「あっ、あなたたちは……」

「はい。ホワイトドラゴンのウロコを持ってきました。トーマスさんは?」

「まだ家のなかに……」

「わかりました。お母さんはここにいたら危ないです。ギルドで待っていてください」

「でも……」

「約束します。トーマスは必ず助けますから。アンドーくん。お母さんをギルドまで送ってあげて」


 アンドーくんなら忍び足を使って、敵に見つからずに行き来できる。


「わかった。待っとってよ。かーくん」

「うん」


 アンドーくんがパーティーから一時離脱する。仲間はぽよちゃんと、たまりんと、クピピコだけだ。


 トーマスの寝室の窓からなかをうかがってみた。トーマスが一人でベッドによこたわっている。モンスターの姿はない。でも、そうとう危機的状況だ。朝に見たときより、さらに顔色が悪い。一刻を争う容体だとわかった。


 今なら敵に見つからずにトーマスの寝室に忍びこむことはできる。でも、窓には内からカギがかかっていた。


 むーん。どうする? かーくん。

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