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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
九章 サンディアナを守れ!
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魔物が人間に……?



 僕は夢でも見てるんだろうか?

 あっ、そうか。夢だった。

 えらく長い夢だけど、夢だった。


 それにしても、この現状はすぐには信じられない。

 さっきまでモンスターだったヤツらが、みんな人間になっている。

 二十歳前後の若い男女ばかりだ。


「いったい……なんで?」

「これ、みんなキャラバンにさらわれて行方不明になってる人たちみたいだね」と、ルベッカさん。


「えっ? なんで、さらわれてる人たちが?」

「わからない。でも、気絶してるだけだ。一時的な戦闘不能だよ。あとで、あたしたちがなんとかしとくから、それより、となりへ急ごう」

「そうですね」


 となりの預かり所へ急ぐ。

 昨日は仕事斡旋所には行ってみたけど、預かり所には行ってなかった。四次元ポケットさえあれば預かり所はいらないんじゃ?


 二つは同じ室内のなかに店をかまえている。

 たしか、仕事斡旋所にはピカピカフサフサのマッチョなおじさんがいたはずだ。


 急いで走っていくと、おじさんとフラウさんがミニドラゴン部隊を相手に苦戦していた。おじさんが鋼鉄の爪をつけてるから、もと武闘家とかなんだろうな。でも、ミニドラゴンは遠距離攻撃してくるんで、なかなか接近戦に持ちこめないのだ。


「お助けしまーす!」


 ミニドラゴンが五匹。

 でも、ヤツらはおじさんに気をとられていたから、背後から襲いかかって、ブーメランのクリティカルで、いっきに三匹やっつけた。残りは、ぽよちゃんとアンドーくんが一体ずつ。ちょっとズルイ気はするが、勝った。


「おおっ、助かったぞ。ありがたい」


 感激したおじさんが熱烈にハグしてくれた。いや、できればエプロンと白いバンダナの似合うフラウさんに感謝してほしかったんだけど……。


 フラウさんはハグしてくれなかった。かわりに自分の白いバンダナを外して、僕らに渡してくれた。


「これはお礼です。ほんとに助かりました」


 そんなのよりハグしてほしかったなぁ……。

 ん? でも、これって、もしかして風切るバンダナでは? 三村くんがしてるのと同じだよね? 素早さが50もあがるやつ。


「これを装備したら、ぽよちゃんも蘭さんみたいに、つねに連続攻撃できるんじゃ? あっ、でも、そうか。装飾品は一人二つまでしかつけられないのか。ぽよちゃんはもう二つつけてるもんな」


 すると、フラウさんがポケットからソーイングセットをとりだした。ぽよちゃんの首から赤いリボンを外すと、ススイとそれをバンダナにぬいつけてくれた。


「これで、両方の効果が得られますよ」

「あッ、ありがとうございます!」


 風切るバンダナ(赤いリボンつき)バージョンだ。

 人助けってするもんだなぁ。

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