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東堂兄弟の冒険録〜悪のヤドリギ編〜  作者: 涼森巳王(東堂薫)
九章 サンディアナを守れ!
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ギルドも襲撃



 走りだしてまもなく、僕は気がついた。ぽよちゃんの背中に、なんか乗ってる。よく見ると、コビット族の戦士だ。名前は……えーと……なんだっけ? 前に書いた部分を調べてみないと。


 はい。調べてきました。クピピコだ。


「なんで、クピピコが?」

「クピ! ピコピコ!」

「うーん……」


 コビット語、スズランにしか理解できないんだよなぁ。


「まあいいや。今さら戻れないし。さきを急ごう!」


 めちゃくちゃ強いゴードンに見つからないように、ここは短期決戦じゃないとね。


 街路で見かけるモンスターをすれ違いざまに、なで切るように(ぽよちゃんが)して、僕らはつき進んでいく。


 やがて街の中央広場についた。

 ギルドのなかからも悲鳴が響いている。マズイんじゃないか? ギルドには大切な設備がたくさんある。街のみんなを助けられるのは冒険者だ。その冒険者たちの回復や補充の拠点だ。ここは守っておかないと。


「ギルド、よっていこう」

「うん。行かや」

「キュイ、キュイ」


 ギルドの玄関ホールへとびこむと、何人かの冒険者がモンスターと戦っていた。アクビをしてた受付のお姉さんも、フライパンで見習いガーゴイルと応戦している。フライパン、どっから出てきた?


「お姉さん! ここは任せて。行くよ。みんな!」

「キュイ!」

「あっ。ぽよちゃんが一瞬で倒した……お姉さん。もう大丈夫ですよ」

「あ、ありがとう。かーくんさん。わたしは平気よ。でも、さっき、コウモリ男の集団が地下へ向かったの。銀行員さんが危ない!」

「わかりました!」


 地下への階段をかけおりていく。

 そこには六体ものコウモリ男にかこまれた、インテリっぽい銀行員のおじさんがいた。今にもやりで突かれそうになってる。


「待て! コウモリ男! おまえたちの相手は僕らだぞ」


 どっかで聞いたようなセリフを吐きすてるのって、むしょうに心地よい。ヒーローかーくん。ウットリ……。

 現実では一生涯ないであろう、このシチュエーション。



 コウモリ男が現れた!

 コウモリ男が現れた!

 コウモリ男が現れた!

 コウモリ男が現れた!

 コウモリ男が現れた!

 コウモリ男が現れた!



 六体はさすがに、ちょっとやっかいだな。まあいい。バトルだ!



 *



 コウモリ男って言うけど、ぱっと見、一メートル強のコウモリだ。

 ただし、二足歩行。

 最初のダンジョンにいたドラッキを百倍でっかくしたやつ。

 羽をひろげて立ってるんだけど、体が丸すぎて、どう見ても飛べそうにない。もっとダイエットしなきゃ。ドラッキはもうちょいスマートだったぞ?


 MPは節約したいんだけど、六体は多い。


「アンドーくん。みんな巻きをよろしく」

「了解」

「ぽよちゃんは通常攻撃」

「キュイ!」

「たまりんはラプソディーで」

 ゆら〜り。


 装備品のありがたさよ。

 ぽよちゃんの攻撃で、コウモリ男Aは倒れた。プスっとね。


「あっ、ぽよちゃんの聞き耳、使えばよかった」

「キュウ……」


 これまでは一ターンで戦闘終了してたんで、敵の行動パターンがわからない。あわてて、聞き耳しようとしたけど、ぽよちゃんはあせった顔で首をふった。そうか。行動前じゃないと聞き耳は使えないんだな。


「ごめん。ごめん。次のターンでいいよ」


 アンドーくんが「みんな、巻きで行こう〜」と叫ぶ。

 体が身軽になった。


 迷ったけど、僕は鋼鉄のブーメランをなげた。コウモリはまだ五体もいるんで。

 左から右へ、ブーメランはコウモリたちを順番に叩いていく。

 ゴツ、ゴッツン、ゴツ、ゴツ、ゴッツン!

 左から、通常攻撃、クリティカル、通常、通常、クリティカル!

 コウモリ男BとFは倒れた。

 よし。ブーメラン正解。

 コウモリが半分に減った。


 たまりんは海鳴りのハープをポロロン。


 さあ、コウモリたちのターンだ。

 こいつら、どんな攻撃してくるのかな?


 コウモリの攻撃は一択だった。



 コウモリ男Cの攻撃!

 コウモリ男Cは血を吸った。

 かーくんに20のダメージ。

 コウモリ男CはHPが10回復した。



 同様のことが三回くりかえされた。


 ギャーッ!

 こいつら、吸血鬼だったー!

 なんてデッカい蚊だ……。

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